多様な文化交流から、世界を牽引するグローバルリーダーの育成を目指す
日本近代史を学ぶためスイスから日本へ
健児くん(以下:◆):小池先生は、いつごろ日本に来られたのですか?
小池:私が日本に来たのは25年前です。それまでは、スイスのチューリヒ大学の日本学科にいました。日本学科では歴史を研究していました。もともと歴史には興味をもっていたのですが、日本の明治時代を学んだ時、日本が変わっていく様子、まさにグローバル化していく様子に心ひかれました。そこで、明治初期を中心とした日本近代史を専門に学ぶことにしたんです。
スイスでは、見ることができる資料が限られています。より深く研究するために、1年間京都大学に留学、その後、研修生として2年間、東京大学に留学しました。国会図書館など、資料があるところまで実際に行って、原本を見て研究できるのはとてもよかったです。
小池:私が日本に来たのは25年前です。それまでは、スイスのチューリヒ大学の日本学科にいました。日本学科では歴史を研究していました。もともと歴史には興味をもっていたのですが、日本の明治時代を学んだ時、日本が変わっていく様子、まさにグローバル化していく様子に心ひかれました。そこで、明治初期を中心とした日本近代史を専門に学ぶことにしたんです。
スイスでは、見ることができる資料が限られています。より深く研究するために、1年間京都大学に留学、その後、研修生として2年間、東京大学に留学しました。国会図書館など、資料があるところまで実際に行って、原本を見て研究できるのはとてもよかったです。
◆:熊本に来られたのはなぜ?
小池:京都、東京の後は広島に20年いました。東京で結婚したので、夫と共に広島にきて広島大学でドイツ語を教えていたんです。長い間広島にいたせいか、ちょっと新しいことに挑戦したい、という気持ちがでてきました。大学のグローバル化にも興味がでてきていました。そんなとき、熊本大学のグローバルリーダーコース(GLC)の話を聞いたんです。ここなら、きっとやりたいと思っていたことができる!そう思って、熊本に来たんです。今は、夫が広島、私が熊本、という単身赴任生活。休日を使って、行き来しています。
熊本に来て思ったのは「ちょうどいい、ほどほどでいい」ということ。私は田舎の出身なので、東京のような大都会は馴染めないところがありました。熊本は、自然があって、景色がきれいで、なのに街の中。居心地がとてもいいと感じます。それに暖かいところもいいですね。
科目、学科、文化の壁を破って、自由な発想ができる人材へ
◆:グローバル教育カレッジで実際に教えてみて、どうでしたか?
小池:グローバル教育カレッジのいいところは、すべて英語で教えるところです。1つの教室には、GLC生などの日本人学生と留学生がいて、同じ目標に向かって学びます。グループワークや意見交換など、自分たちで考え、意見を言い合う時間もあり、授業はいつも賑やかです。
GLC生の受ける授業の中でも特徴的なのが「Multidisciplinary Studies」という新しい科目群。複数の学問領域にまたがるテーマについて、英語で学ぶ科目群です。この科目群で目指しているのは、いろいろな壁を破る、ということ。学科の壁、学問領域の壁を破り、そして、文化の壁を破って、完全に箱から抜け出せるようになれば、自由な発想が身につきます。それこそがグローバルな考え方をするのに、大切なことだと思っています。
始まったばかりのGLCも、1学期、2学期と過ぎて、ようやく学生が自由に考えられるようになったと思います。英語力も間違いなくついてきました。語学力は大切なのですが、実はそれほどこだわってはいません。どちらかというと、自由に、積極的にしゃべれるようになることの方が重要です。英語以外の言語も習得するようにすすめています。言葉を1つ習得するということは、その国の文化や価値観を習得すること、でもあるからです。比較することによって、それぞれの言語について深く学ぶこともできます。
小池:グローバル教育カレッジのいいところは、すべて英語で教えるところです。1つの教室には、GLC生などの日本人学生と留学生がいて、同じ目標に向かって学びます。グループワークや意見交換など、自分たちで考え、意見を言い合う時間もあり、授業はいつも賑やかです。
GLC生の受ける授業の中でも特徴的なのが「Multidisciplinary Studies」という新しい科目群。複数の学問領域にまたがるテーマについて、英語で学ぶ科目群です。この科目群で目指しているのは、いろいろな壁を破る、ということ。学科の壁、学問領域の壁を破り、そして、文化の壁を破って、完全に箱から抜け出せるようになれば、自由な発想が身につきます。それこそがグローバルな考え方をするのに、大切なことだと思っています。
始まったばかりのGLCも、1学期、2学期と過ぎて、ようやく学生が自由に考えられるようになったと思います。英語力も間違いなくついてきました。語学力は大切なのですが、実はそれほどこだわってはいません。どちらかというと、自由に、積極的にしゃべれるようになることの方が重要です。英語以外の言語も習得するようにすすめています。言葉を1つ習得するということは、その国の文化や価値観を習得すること、でもあるからです。比較することによって、それぞれの言語について深く学ぶこともできます。
海外へ発信できるアカデミックスキルを学んでほしい
◆:GLCでは、今後どんなことを教えていきたいですか?小池:今、力をいれているのは、アカデミックスキルを身につける、ということです。エッセイを書く授業などを通して、英語で論文を書くときに必要なスキルを身に着けてもらおうと思っています。どんな文献を参考にしたらいいか、引用の仕方はどのようにするのか、学問を追求するのに必要な技術を学んでもらうのです。ネット上で利用できるサイトの見分け方などのテクニカルスキルも教えて、海外でも通用できる論文の書き方を知ってほしいと思っています。話せて、考えるだけでなく、認められる形でまとめて発信できなければグローバルではないんですよ。
それから、学生がどんどん海外に行けるように、ショートステイのプログラムや外国の大学との協定も開拓しています。外国に行くことで、人格形成や知識など、自分のためになることがたくさん学べます。現地に行かなければわからないこともたくさんあります。半年や1年の留学だと、お金も心構えも必要ですが、2週間くらいのプログラムなら、いろいろな国に行くこともできます。一度行って「もっと長く行きたい!」と思ったら、長期留学を考えたらよいのです。英語圏以外の国にもどんどん行って、いろいろな国の文化や考え方に触れること。それもグローバルの1つです。
積極的なコミュニケーションがグローバルの第一歩
◆:学生のみなさんへメッセージをお願いします。小池:今来ている学生は、前期の後半くらいから「リーダーになる」という意識がでてきました。オープンキャンパスの際、高校生に説明したりしている姿は、「センパイ!」という感じでした。グローバルの意識もでてきたと感じます。教室で知り合った留学生と友達になって、大学以外の時間も一緒に過ごすようになっています。それってとても大事なんです。教室だけで交流が終わるのではなく、日常にも自然にその交流が続いていくこと。日本にいても、海外にいるような雰囲気や環境に身を置けば、英語力もグローバルな考え方も身につきます。
これから入ってくる人たちは、英語力だけでなく、積極的で行動的な人、自分で考える人であってほしいと思っています。最初は英語が得意じゃない、と思ってしゃべらない人も多いかもしれませんが、そんなことは気にしないで。ここにいる留学生のほとんどは、英語が母国語ではありません。見ていると、結構適当に意志を表現したりジェスチャーしたりしています。完璧なネイティブスピーカーに囲まれて間違ったらへこんでしまいますが、みんな完璧じゃないんだから、自信をもって話して欲しいですね。英語を身につけると、どんな国の人ともコミュニケーションがとれます。英語が好きでもそうでなくても、これは事実。まずは英語を身に着けてコミュニケーションがとれるようになれば、グローバルへの第一歩です。その後は、グローバル教育カレッジのような場所でどんどん話す機会を増やしていくこと。積極的に、コミュニケーションをとって、英語で話すことに慣れていって欲しいと思います。