お知らせ[研究]_足彩胜负彩 /whatsnew/news_kenkyu daily 1 2018/03/15 15:50:00 GMT+9 パーキンソン病などのシヌクレイノパチーにおける病態機序を解明-G4を標的に神経変性を「未病」で防ぐ-_足彩胜负彩 /whatsnew/seimei-sentankenkyu/20241021 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>パーキンソン病などのシヌクレイノパチーは、細胞内でのαシヌクレインの凝集により引き起こされますが、その凝集機序は不明でした。</li>&#13; <li>本研究グループは、αシヌクレインが「グアニン四重鎖(G4)」<sup>※</sup>の集積を足場として凝集することを明らかにしました。</li>&#13; <li>G4の集積を抑制する薬剤は、シヌクレイノパチーモデルマウスにおけるαシヌクレインの凝集を阻害し、進行性の運動機能の低下を予防しました。</li>&#13; <li>G4の集積は、遺伝性だけでなく孤発性の神経変性の原因にもなることから、「G4の集積抑制」が神経変性疾患の「未病」に向けた創薬に繋がります。</li>&#13; </ul>&#13; <ul>【概要説明】</ul>&#13; <p> 熊本大学発生医学研究所の塩田倫史教授、矢吹悌准教授および松尾和哉助教らの研究グループは、シヌクレイノパチーの発症機序を新たに解明しました。<br/>シヌクレイノパチーは、パーキンソン病、レビー小体型認知症を含む進行性の神経変性疾患の総称です。シヌクレイノパチーでは、「αシヌクレイン」と呼ばれるタンパク質が細胞内に凝集することで神経機能の障害を引き起こしますが、その凝集機序は不明でした。本研究グループは、RNA高次構造のひとつである「グアニン四重鎖(G4)」の集積がαシヌクレイン凝集の足場となることを発見しました。パーキンソン病患者の剖検脳を解析したところ、αシヌクレイン凝集体の約90%にG4が集積していました。さらに、本研究グループが見出したG4の集積を抑制する薬剤である「5-アミノレブリン酸」<sup>(参考文献1)</sup>をシヌクレイノパチーモデルマウスに経口投与したところ、αシヌクレインの凝集が阻害され、進行性の運動機能の低下が予防できました。<br/>これまで本研究グループは、遺伝性の神経変性疾患においてもG4の集積が神経機能の障害を引き起こすことを報告しています<sup>(参考文献2)</sup>。また、アルツハイマー病に深く関わる「タウ」と呼ばれるタンパク質もG4により凝集することも明らかにしています<sup>(参考文献3)</sup>。すなわち、「G4の集積」を抑制することは、神経変性疾患全般の「未病」に向けた創薬に繋がります。<br/> 本研究成果は、文部科学省科学研究費助成事業(課題番号:JP21K20723,? JP22J00687, JP21K06579, JP23H03851, JP21H00207, JP20K21400, JP22K19297, JP23H00373)、日本医療研究開発機構(AMED)革新的先端研究開発支援事業「RNA相転移によるプリオン性タンパク質のプロテオスタシス破綻機構」(課題番号:JP23gm6410021h0003)、脳とこころの研究推進プログラム「RNA相転移によるシヌクレイノパチー発症機序の解明」(課題番号:JP23wm0525023h0003)、JST創発的研究支援事業「グアニン四重鎖によるプリオノイド?イノベーション」(JPMJFR2043)、熊本大学発生医学研究所共同研究拠点、熊本大学発生医学研究所高深度オミクス医学研究拠点ネットワーク形成事業、文部科学省共同利用?共同研究システム形成事業「学際領域展開ハブ形成プログラム」などの支援を受けて、科学雑誌「セル(Cell)」オンライン版に米国(ET)時間の令和6年10月18日午前11時(日本時間10月19日午前0時)に掲載されました。</p>&#13; <p style="text-align: justify;">?</p>&#13; <p>【成果?展開】<strong> </strong></p>&#13; <p> 今回、αシヌクレインを細胞内で凝集する分子が「G4」であることを初めて同定し、「G4の集積抑制」によってシヌクレイノパチーの発症を予防できることを証明しました。これまで本研究グループは、遺伝性の神経変性疾患においてもG4の集積が神経変性を引き起こすことを報告しています(参考文献2)。また、アルツハイマー病に深く関わる「タウ」と呼ばれるタンパク質もG4により凝集することも明らかにしています(参考文献3)。すなわち、「G4の集積」を抑制することは、神経変性疾患全般の「未病」に向けた創薬に繋がります。</p>&#13; <p>?</p>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>※グアニン四重鎖(G4)<br/>DNAおよびRNAの高次構造の一種。グアニンに富む核酸配列で形成される。4つのグアニンが四量体を作った面(G-カルテット)が2面以上重なった構造体である。本研究では、RNAで形成されるG4の集積がαシヌクレイン凝集の足場となることを示した。</p>&#13; <p>参考文献1:Shioda et al. Nature Medicine 24, 802-813. (2018)<br/>参考文献2:Asamitsu et al. Science Advances 7, eabd9440. (2021)<br/>参考文献3:Yabuki et al. bioRχiv doi: https://doi.org/10.1101/2024.03.01.582861</p>&#13; <p style="text-align: justify;">?<br/>【論文情報】</p>&#13; <ul>&#13; <li>論文名:RNA G-quadruplexes form scaffolds that promote neuropathological α-synuclein aggregation.</li>&#13; <li>著者:Kazuya Matsuo, Sefan Asamitsu, Kohei Maeda, Hiroyoshi Suzuki, Kosuke Kawakubo, Ginji Komiya, Kenta Kudo, Yusuke Sakai, Karin Hori, Susumu Ikenoshita, Shingo Usuki, Shiori Funahashi, Hideki Oizumi, Atsushi Takeda, Yasushi Kawata, Tomohiro Mizobata, Norifumi Shioda* and Yasushi Yabuki*<br/>?(* Co-corresponding authors)</li>&#13; <li>掲載誌:Cell</li>&#13; <li>doi:<a href="https://doi.org/10.1016/j.cell.2024.09.037">10.1016/j.cell.2024.09.037</a></li>&#13; <li>URL:<a href="https://doi.org/10.1016/j.cell.2024.09.037">https://doi.org/10.1016/j.cell.2024.09.037</a></li>&#13; </ul>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release241021.pdf">プレスリリース</a>(PDF505KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p>?</p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" width="142" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" height="134" class="image-inline"/>??</p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学発生医学研究所ゲノム神経学分野<br/>担当:教授 塩田 倫史<br/>?????  准教授 矢吹 悌<br/>電話:096-373-6633<br/>e-mail:shioda※kumamoto-u.ac.jp<br/>   ?? yabukiy※kumamoto-u.ac.jp<br/> (※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/10/21 10:50:00 GMT+9 ページ 熊本大学附属学校国際クラスのホームページを開設しました!_足彩胜负彩 /whatsnew/kyouiku/20240920 <![CDATA[<p>熊本大学附属学校国際クラスのホームページを開設しました!</p>&#13; <p>The website of the International Course at schools attached to <br/>the Faculty of Education, Kumamoto University, is now live!</p>&#13; <ul>&#13; <li class="arrow"><a href="https://www.educ.kumamoto-u.ac.jp/kokusai/">国際クラスホームページ?</a>&#13; <table height="186" width="839">&#13; <tbody>&#13; <tr>&#13; <td style="width: 815px;"><a href="https://www.educ.kumamoto-u.ac.jp/kokusai/"><img src="/whatsnew/zinbun/zinbun_file/20240920/@@images/97eba3d8-ea56-4521-903a-a408cf1eae12.jpeg" title="&#x56FD;&#x969B;&#x30AF;&#x30E9;&#x30B9;" alt="&#x56FD;&#x969B;&#x30AF;&#x30E9;&#x30B9;" class="image-inline"/></a></td>&#13; </tr>&#13; </tbody>&#13; </table>&#13; </li>&#13; </ul>&#13; <figure class="is-left is-one-fourth"/>&#13; <figure class="is-right is-one-fourth"/>&#13; <p>&#13; &#13; </p>]]> No publisher 研究 2024/09/20 15:35:00 GMT+9 ページ 令和7年度(2025年度)の外国人児童志願者募集を行います。_足彩胜负彩 /whatsnew/kyouiku/20240920-2 <![CDATA[<p>令和7年度(2025年度)の外国人児童志願者募集を行います。<br/>We are accepting international applicants residing in Kumamoto (foreign citizens)<br/>for FY 2025.</p>&#13; <ul>&#13; <li class="arrow">こちらをクリック!Click here! <a href="https://www.educ.kumamoto-u.ac.jp/kokusai/">国際クラスホームページ</a>&#13; <table height="186" width="839">&#13; <tbody>&#13; <tr>&#13; <td style="width: 815px;"><a href="https://www.educ.kumamoto-u.ac.jp/kokusai/"><img src="/whatsnew/zinbun/zinbun_file/20240920-2/@@images/e429b703-6bf6-48b8-967b-92d4db25c749.png" title="&#x56FD;&#x969B;&#x30AF;&#x30E9;&#x30B9;&#x2461;" alt="&#x56FD;&#x969B;&#x30AF;&#x30E9;&#x30B9;&#x2461;" class="image-inline"/></a></td>&#13; </tr>&#13; </tbody>&#13; </table>&#13; </li>&#13; </ul>&#13; <figure class="is-left is-one-fourth"/>&#13; <figure class="is-right is-one-fourth"/>&#13; <p>&#13; &#13; </p>]]> No publisher 研究 2024/09/20 15:35:00 GMT+9 ページ 貧血時に体内で赤血球が増える新たなメカニズムを発見_足彩胜负彩 /whatsnew/seimei-sentankenkyu/20240920 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>重度の貧血になると未熟な赤血球<sup>*1</sup>が育つのみではなく、造血幹細胞<sup>*2</sup>が急速に増幅し、より赤血球を作りやすく変化することを発見しました。</li>&#13; <li>重度の貧血状況下では脂質代謝に関わるアポリポタンパク質E<sup>*3</sup>が増加し、表面に超低密度リポタンパク質(VLDL)受容体<sup>*4</sup>をもつ造血幹細胞に作用してより赤血球を作りやすくすることがわかりました。</li>&#13; <li>本研究の成果により、これまで治療が困難だった重度貧血の治療法開発に結びつく事が期待されます。<br/><br/><br/><br/></li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】 <br/>??? 熊本大学国際先端医学研究機構の三原田賢一特別招聘教授らの研究グループは、スウェーデン?ルンド大学の研究チームと共同で、体内で赤血球が増える新たなメカニズムを発見しました。これまで、急激な貧血が起こると赤血球になることが決定した未熟な細胞(赤芽球)が増える仕組みはわかっていましたが、より幼若な「造血幹細胞」がどう反応するかわかっていませんでした。本研究により、これまでの治療では十分な効果が得られなかった重度貧血などの新たな治療法開発につながると考えられます。本研究成果は令和6年9月16日(米国東海岸時間10:00)に科学雑誌「ネイチャー?コミュニケーションズ」に掲載されました。<br/><br/> <br/><br/><br/></p>&#13; <p>【今後の展開】</p>&#13; <p> エリスロポエチンは薬剤として貧血治療にも使われていますが、患者さんの中にはエリスロポエチンの効果が低い人もいます。また、貧血の治療には鉄剤の投与や輸血なども用いられていますが、頻繁な鉄剤投与や輸血は鉄の体内沈着を起こし、別の病気を起こす事も知られています。本研究の成果は、従来知られていた赤血球生産の仕組みとは異なる機序が存在することを示しており、これまでの治療法で十分に効果が得られなかった重度貧血の患者さんに対する新たな治療法開発につながることが期待されます。</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>*1赤血球: 血管内を循環し、体中の組織に酸素を運搬する。また、二酸化炭素を結合し回収する役割も担う。腸内細菌等を除くと体内で最も数の多い細胞であり、人間を構成する細胞の80%以上が赤血球である。<br/><br/>*2造血幹細胞: すべての血液細胞の源である血液の幹細胞。すべての種類の血液細胞に分化する能力(多分化能)と、自身と同等の能力を持つ細胞を複製する能力(自己複製能)を有する。通常は骨髄内の微小環境で休眠しているが、血液細胞を多く作る必要があると休眠から起きて分裂を開始する。<br/><br/>*3アポリポタンパク質E(ApoE): 脂質とタンパク質から構成される複合体であるリポタンパク質に含まれるタンパク質。中でも、カイロミクロンや超低密度リポタンパク質(VLDL)に含まれており、脂質代謝で重要な役割を担う。<br/><br/>*4超低密度リポタンパク質(VLDL)受容体: VLDLやApoEに結合するタンパク質で、細胞の表面に存在する。<br/><br/><br/><br/><br/></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <p>論文名:Lipoprotein metabolism mediates hematopoietic stem cell responses under acute anemic conditions<br/>(リポタンパク質代謝が造血幹細胞の急性貧血応答を制御する)<br/><br/>著者:Kiyoka Saito, Mark van der Garde, Terumasa Umemoto, Natsumi Miharada, Julia Sj?berg, Valgardur Sigurdsson, Haruki Shirozu, Shunsuke Kamei, Visnja Radulovic, Mitsuyoshi Suzuki, Satoshi Nakano, Stefan Lang, Jenny Hansson, Martin L Olsson, Takashi Minami, Gunnar Gouras, Johan Flygare, and Kenichi Miharada*<br/><br/>掲載誌:Nature Communications<br/>doi:<a href="https://www.nature.com/articles/s41467-024-52509-w">https://doi.org/10.1038/s41467-024-52509-w </a><br/>URL:<a href="https://www.nature.com/articles/s41467-024-52509-w">https://www.nature.com/articles/s41467-024-52509-w</a></p>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240920.pdf">プレスリリース</a>(PDF252KB)</p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学国際先端医学研究機構<br/>幹細胞プロテオスタシス学講座<br/>担当:三原田賢一(みはらだけんいち)<br/>電話:096-373-6885<br/>e-mail:kenmiharada※kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/09/20 11:00:00 GMT+9 ページ 植物の「内と外」を最初に作る仕組みを発見 ?細胞はかたちを少し変えることで分裂の方向を決めている?_足彩胜负彩 /whatsnew/sizen/20240918 <![CDATA[<p style="text-align: justify;"><span/>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li style="text-align: justify;">植物の胚の最外層で働く遺伝子が壊れると、内側と外側の組織の性質が混在する胚が作られることを発見しました。</li>&#13; <li style="text-align: justify;">単細胞である受精卵の第一分裂から、内外軸が作られるまでの胚発生の様子を精緻に捉えることに成功しました。</li>&#13; <li style="text-align: justify;">細胞分裂の方向は、第一分裂後の細胞のかたちや核の場所をもとに決まるという数学的なルールをシミュレーション計算によって特定しました。</li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】 </p>&#13; <p> 植物の基本的な構造は、茎や根のような円筒型です。内側の維管束と、外側の表皮とを繋ぐ平面的な内外軸をもつことが、植物のかたち作りにとって重要です。しかし、内外軸がいつ?どのように作られ始めるのかは長年の謎でした。<br/>東北大学の植田美那子教授、広島大学の藤本仰一教授、熊本大学の檜垣匠教授、東京大学の東山哲也教授らの共同研究グループは、モデル植物のシロイヌナズナにおいて、胚の最外層で働くHD-ZIP IV転写因子群を壊すと、内外軸がうまく作れなくなることを見出しました。また、受精卵から胚が次第に作られていく様子を、ライブイメージングによって詳細に追跡した結果、受精卵の第一分裂の直後から、この転写因子群の働きによって細胞が少し横に伸び、核が細胞の底面に位置することや、その後に細胞が左右に分裂し、内外分裂に至ることを発見しました。さらに、細胞のかたちと核の位置によって、数学的に最も安定な場所に分裂面が作られることを突き止めました。<br/>この研究によって、細胞のかたちや核の位置という幾何学的な情報をわずかに変化させるだけで分裂方向が決まるという、精緻な戦略が明らかになりました。この発見により、植物の体軸形成への理解が進むと期待されます。<br/>本研究成果はCurrent Biology誌に2024年9月19日付で掲載されます。</p>&#13; <p>【展開】</p>&#13; <p> 本研究では、植物の内外軸が作られ始める詳細な動態を世界で初めてリアルタイムで観察し、その過程に必要となる転写因子群や、数学的なルールも突き止めました。受精卵から作られる胚だけでなく、植物が成長する過程で茎から分岐する枝や花などの器官も、それぞれの内外軸を独自に設定することで、適切なかたちを生み出します。そこで今後は、本研究が明らかにした「内外軸を作る仕組み」が、ほかの器官にも共通した普遍的な機構かを調べる必要があります。また、育種の際に、有益な親株同士を掛け合わせて作った雑種胚が奇形になって育たない例が多くあり、植物のかたち作りの理解は農業研究にとっても重要です。したがって、今後は本研究をさらに発展させ、HD-ZIP IV転写因子群がどのように細胞の幾何学変化を引き起こすかを解明することで、植物のかたち作りをさらに深く理解できるだけでなく、農業研究にとっても有益な基盤情報を提供できると期待されます。</p>&#13; <p/>&#13; <p><strong>(論文情報)</strong><br/>タイトル:HD-ZIP IV genes are essential for embryo initial cell polarization and the radial axis formation in Arabidopsis<br/>著者: Sayuri Tanaka, Yuuki Matsushita, Yuga Hanaki, Takumi Higaki, Naoya Kamamoto, Katsuyoshi Matsushita, Tetsuya Higashiyama, Koichi Fujimoto, and Minako Ueda*<br/>*責任著者:東北大学大学院生命科学研究科 教授 植田美那子<br/>筆頭著者:<br/>名古屋大学大学院理学研究科 田中小百合<br/>掲載誌:Current Biology<br/>DOI:10.1016/j.cub.2024.08.038<br/>URL:https://doi.org/10.1016/j.cub.2024.08.038</p>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240918-2-1.pdf">プレスリリース</a>(PDF1292KB)</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/>????  <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_02_ja_2.png/@@images/8032ba3d-a877-4a15-b6fd-60f50cbdf9de.png" title="sdg_icon_02_ja_2.png" width="133" alt="sdg_icon_02_ja_2.png" height="127" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong> お問い合わせ </strong> <br/>熊本大学 総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3271<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/09/20 10:00:00 GMT+9 ページ 飛べない鳥エミューの翼が短くなる新たなメカニズムを解明-胚や胎児の運動の違いが形態の進化を引き起こす可能性-_足彩胜负彩 /whatsnew/seimei-sentankenkyu/20240918 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>エミューの翼の骨の短縮や左右非対称な融合は、筋形成不全により胚発生中に翼の骨へのメカノストレスが不足するためと解明</li>&#13; <li>胚の翼の原基に生じる筋前駆細胞の細胞死によって筋形成不全が生じることを発見</li>&#13; <li>胚や胎児の運動の違いが形態の進化の原因となる可能性を示唆<br/><br/><br/><br/></li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】 <br/>??? 東京工業大学 生命理工学院 生命理工学系の田中幹子教授と坪井絵里子大学院生(研究当時)、小野沙桃実大学院生、イングリッド?ローゼンバーグ?コルデイロ(Ingrid Rosenburg Cordeiro)大学院生(研究当時)らは、基礎生物学研究所の重信秀治教授、熊本大学のゴジュン?シェン(Guojun Sheng)教授、東京慈恵会医科大学の岡部正隆教授らと共同で、エミューの翼の骨格パターンの解析と翼の筋肉の発生プロセスの解析から、エミューの翼の退縮にこれまで知られていた遺伝的な原因だけでなく、新たなメカニズムが存在することを明らかにした。<br/> 飛べない鳥であるエミューは、翼が著しく退縮しているが、その形態形成のメカニズムには不明な点が多かった。今回の研究では、エミューの翼の骨格が退縮しているだけでなく、左右非対称なパターンを示していることが分かった。そしてその原因が翼の先端に筋肉が作られないために、胚発生中に翼をほとんど動かせず、骨の発生に必要なメカノストレス(用語1)を翼の骨になる細胞が十分に受け取れていないためであることが示された。さらに、エミューの翼の先端に筋肉がないのは、体節(用語2)由来の筋前駆細胞と側板中胚葉(用語3)細胞の二重のアイデンティティを持つ筋前駆細胞が存在し、これらが融合して筋繊維になるときに、細胞死(用語4)を起こすためであることを明らかにした。今回の研究成果は、胚や胎児の運動の違いが、形態の進化を起こす可能性があることを示唆している。<br/> 本研究成果は9月19日(現地時間)の「Nature Communications」で公開された。<br/><br/><br/><br/></p>&#13; <p>【今後の展開】</p>&#13; <p> 今回の研究は、手足の骨格形態の進化に対する運動量の役割を示唆する結果となった。胚期や胎児期に手足の運動量が抑制されるような自然環境におかれている生物において、骨格形態に影響が生じている可能性も十分に考えられる。本研究は、動物の形態の進化に環境要因による影響を受けやすい胚や胎児の運動量が関係していることを示唆する、画期的なものだと言える。</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>(1)メカノストレス:組織や細胞にかかる物理的な力で、筋肉の収縮をはじめ、さまざまな力学的要因から生じる。この力は骨の発生や成長を含め、さまざまな組織の発達に重要な役割を果たす。<br/>(2)体節:発生中の脊椎動物の胚でみられるブロック状の構造であり、筋肉、骨、真皮など、体の主要な組織に発達する細胞が含まれる。通常、手や足の筋肉は体節由来である。<br/>(3)側板中胚葉:胚の外側に位置する中胚葉の一部で、手足の原基や体壁、心臓、血管などを形成する。<br/>(4)細胞死:細胞が死ぬ現象であり、発生過程や組織の維持において重要な役割を果たす。<br/><br/><br/><br/><br/></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <p>掲載誌:Nature Communications<br/>論文タイトル:Immobilization secondary to cell death of muscle precursors with a dual transcriptional signature contributes to the emu wing skeletal pattern<br/>著者:Eriko Tsuboi?, Satomi F Ono?, Ingrid Rosenburg Cordeiro?, Reiko Yu, Toru Kawanishi, Makoto Koizumi, Shuji Shigenobu, Guojun Sheng, Masataka Okabe, and Mikiko Tanaka<br/>?These authors contributed equally to this work.<br/>DOI:10.1038/s41467-024-52203-x</p>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240918.pdf">プレスリリース</a>(PDF988KB)</p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学総務部総務課広報戦略室<br/>Tel:096-342-3269 Fax:096-342-3110<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/09/19 18:00:00 GMT+9 ページ 全国8地域からなる大規模認知症コホート研究で糖代謝異常と海馬亜領域体積との関連を報告_足彩胜负彩 /whatsnew/seimei/20240919 <![CDATA[<p>【研究の概要】</p>&#13; <p> 金沢大学医薬保健研究域医学系脳神経内科学の小野賢二郎教授,九州大学大学院医学研究院衛生?公衆衛生学分野の二宮利治教授,岩手医科大学医学部内科学講座脳神経内科?老年科分野の前田哲也教授,慶應義塾大学予防医療センターの三村將特任教授,愛媛大学大学院医学系研究科精神神経科学の伊賀淳一准教授,熊本大学大学院生命科学研究部神経精神医学講座の竹林実教授らの共同研究グループは,健康長寿社会の実現を目指した大規模認知症コホート研究:JPSC-AD 研究(※1)のデータを用いて,糖尿病(※2)診断の有無にかかわらず,高血糖の状態またはインスリン(※3)の分泌能が低下した状態は,記憶に関連する海馬(※4)亜領域の体積の減少と関連することを初めて明らかにしました。<br/> 本研究結果より,糖尿病と診断されていない人においても,高血糖やインスリン分泌能が低下した状態は記憶力などの認知機能の低下を引き起こす要因の一つとなるおそれがあり,血糖の状態を良好に保つこと,インスリン分泌を保持することが,海馬体積を保ち,認知機能低下を予防できる可能性が示唆されました。JPSC-AD 研究では 2016 年から 2018 年にベースライン調査を実施し,全国 8 地域で 11,410 名の調査を行いました。2021 年から 2023 年には,同対象者について包括的認知症スクリーニング調査を実施し,新たな認知症の発症および認知機能の変化の調査を行いました。<br/> 今後,縦断解析を行うことで糖代謝異常がアルツハイマー病(※5)を引き起こす詳細なメカニズムを明らかにし,個々の認知症発症リスクに応じた予防?治療法の確立が期待されます。<br/> 本研究成果は2024 年9 月9 日に国際学術誌『NPJ Aging』のオンライン版に掲載されました。<br/><br/><br/></p>&#13; <p/>&#13; <p>【展開】</p>&#13; <p> JPSC-AD 研究では 2021 年から 2023 年に同対象者について包括的認知症スクリーニング調査を実施しました。今後,縦断解析を行うことで,糖代謝異常と認知機能低下および認知症発症との関連についてより詳細を明らかにでき,糖尿病が認知症を引き起こすメカニズム解明の一助となることが期待されます。</p>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p> <br/><br/><br/></p>&#13; <p/>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>※1 JPSC-AD 研究<br/>JPSC-AD(Japan Prospective Studies Collaboration for Aging and Dementia)研究は,国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の認知症研究開発事業として行っている,日本全国で1 万人を対象とした「健康長寿社会の実現を目指した大規模認知症コホート研究」(研究責任者:二宮 利治)です。これは,日本人の生活環境と体質に適した認知症やうつ病予防対策法を確立することを目的とした,全国で最大規模の認知症研究です。日本の8 地域(青森県弘前市,岩手県矢巾町,石川県中島町,東京都荒川区,島根県海士町,愛媛県中山町,福岡県久山町,熊本県荒尾市)において,高齢者を対象に,生活習慣調査や血液などの生体試料を提供いただき,認知症やうつ病,循環器疾患(脳卒中や虚血性心疾患)や寿命に関係する体質や生活習慣について分析しています。(ホームページ: https://www.eph.med.kyushu-u.ac.jp/jpsc/)<br/>※2 糖尿病<br/>血液中の糖(血糖)の筋肉や脂肪,肝臓への吸収を促すインスリンというホルモンが不足したり,働きが悪くなったりすることで,血糖が上昇する疾患です。原因としては,遺伝の他に,肥満,過食?過飲,運動不足と言われる生活習慣の乱れがあります。高血糖の状態が長期間持続すると,全身の血管が障害され,さまざまな合併症を引き起こします。<br/>※3 インスリン<br/>膵臓から分泌されるホルモンで,血糖の筋肉や脂肪,肝臓への吸収を促すことで,血糖を低下させる働きがあります。インスリンは神経系にも重要な役割を担っていると言われており,特に記憶や学習に関係している海馬においては,神経細胞死の抑制や,神経細胞の発生?自己再生の促進,アルツハイマー病で脳内に蓄積されるアミロイドという物質の脳内への蓄積の抑制,有害な物質からの神経細胞の保護をしていると考えられています。<br/>※4 海馬<br/>海馬は側頭葉の内側に存在する,記憶の形成に重要な役割を果たしている部位です。<br/>左右に1 つずつあり,小指ほどの大きさをしています。アルツハイマー病や血管障害や外傷,腫瘍,手術などで海馬が破壊されると,新しい情報を記憶することが難しくなります。<br/>※5 アルツハイマー病<br/>アルツハイマー病は,時間をかけて進行する脳の疾患で,記憶や思考する能力が徐々に障害され,やがて日常生活に支障を引き起こす認知症と呼ばれる状態に陥る病気です。<br/>アルツハイマー病の患者さんの脳内にはアミロイドという物質が溜まってできる老人斑という構造物や,異常な神経線維のもつれ(タウ蛋白が異常リン酸化して生じる神経原線維変化),神経細胞の消失といった変化が見られ,これらの変化が長い時間をかけ<br/>て進行し,海馬や大脳が萎縮していきます。<br/><br/><br/></p>&#13; <p/>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <p>雑誌名:NPJ Aging<br/>論文名:Glucose metabolism and smaller hippocampal volume in elderly people with normal<br/>cognitive function.<br/>(正常認知機能高齢者における糖代謝と海馬体積の減少)<br/>著者名:Ayano Shima, Moeko Noguchi-Shinohara, Shutaro Shibata, Yuta Usui, Yasuko Tatewaki,<br/>Benjamin Thyreau, Jun Hata, Tomoyuki Ohara, Takanori Honda, Yasuyuki Taki, Shigeyuki<br/>Nakaji, Tetsuya Maeda, Masaru Mimura, Kenji Nakashima, Jun-ichi Iga, Minoru Takebayashi ,<br/>Hisao Nishijo, Toshiharu Ninomiya, Kenjiro Ono<br/>(島綾乃,篠原もえ子,柴田修太朗,碓井雄大,舘脇康子,Benjamin Thyreau,秦淳,小<br/>原知之,本田貴紀,瀧靖之,中路重之,前田哲也,三村將,中島健二,伊賀淳一,竹林<br/>実,西条寿夫,二宮利治,小野賢二郎)<br/>掲載日:2024 年9 月9 日<br/>DOI:<a href="https://www.nature.com/articles/s41514-024-00164-2">10.1038/S41514-024-00164-2</a></p>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240919.pdf">プレスリリース</a>(PDF1024KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3269<br/>e-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/09/19 10:00:00 GMT+9 ページ <妊娠中のフェノールばく露と子どもの喘息発症の関連>について_足彩胜负彩 /whatsnew/seimei/20240913 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>妊娠中の母親から採取した尿検体から<span>24</span>種のフェノール類を測定した。</li>&#13; <li>尿中フェノール値と<span>4</span>歳までの喘息発症の関連を解析した。</li>&#13; <li>妊娠中のブチルパラベンの高度ばく露は子どもの喘息発症との関連が示唆された。</li>&#13; <li>4-ノニルフェノールのばく露は子どもの喘息発症との関連が示唆された。</li>&#13; </ul>&#13; <p>【研究の概要】</p>&#13; <p> 南九州?沖縄ユニットセンター(熊本大学)の小田政子、倉岡将平の研究チームは、エコチル調査の<span>3,513</span>人のデータから妊娠中のフェノール類ばく露と子どもの喘息発症の関連について解析しました。その結果、フェノールの<span>1</span>種であるブチルパラベンの高度ばく露は子どもの喘息発症との関連が示唆されました。また、<span>4-</span>ノニルフェノールのばく露も男児の喘息発症との関連が示唆されました。この結果により、妊娠中のフェノールばく露について、より適切な指標が確立されることが期待されます。</p>&#13; <p> なお、今回の調査では妊娠中の母親から採取した尿検体からフェノール類を測定しており、子どものフェノール類濃度を測定していないといった限界があります。そのためフェノール類と喘息発症の関連を明らかにするためには更なる研究が必要です。</p>&#13; <p> 本研究の成果は、令和<span>6</span>年<span>8</span>月<span>23</span>日付で環境科学分野の学術誌「<span>Environmental Pollution</span>」に掲載されます。</p>&#13; <p>※本研究の内容は、すべて著者の意見であり、環境省及び国立環境研究所の見解ではありません。</p>&#13; <p>【展開】</p>&#13; <p> 妊娠中のフェノールばく露が子どもの健康にどのように影響するのか引き続き調査を継続していきます。ブチルパラベンや<span>4-</span>ノニルフェノールが喘息発症のリスクを高めるメカニズムの解明だけでなく、どのような環境や生活習慣がそれぞれのフェノールばく露につながるのかを明らかにすることで、妊娠中の過ごし方に関する適切な提言につながると考えられます。</p>&#13; <p> 本調査の継続により、子どもの発育や健康に影響を与える化学物質等の環境要因が明らかとなることが期待されます。</p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <p>題名(英語):Association of phenol exposure during pregnancy and asthma development in children: The Japan Environment and Children’s Study?<br/>著者名(英語):Shohei Kuraoka1,2, Masako Oda1, Takashi Ohba1,3, Hiroshi Mitsubuchi1,4, Kimitoshi Nakamura1,2, Takahiko Katoh1,5, and the Japan Environment and Children’s Study (JECS) Group6?<br/>1熊本大学大学院生命科学研究部附属 エコチル調査南九州?沖縄ユニットセンター<br/>2熊本大学大学院生命科学研究部 小児科学講座<br/>3熊本大学大学院生命科学研究部 産婦人科学講座<br/>4熊本大学病院 新生児科<br/>5熊本大学大学院生命科学研究部 公衆衛生学<br/>6グループ:コアセンター長、メディカルサポートセンター代表、各ユニットセンター長<br/><著者日本語表記>倉岡将平、小田政子、大場隆、三渕浩、中村公俊、加藤貴彦<br/>掲載誌:Environmental Pollution<br/>DOI: https://doi.org/10.1016/j.envpol.2024.124801<br/>※Shohei Kuraoka1,2については、熊本大学在籍当時の所属であり、現在、ハーバード大学マサチューセッツ総合病院腎臓内科に留学中。</p>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240913.pdf">プレスリリース</a>(PDF526KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>エコチル調査南九州?沖縄ユニットセンター<br/>倉岡将平<br/>電話:096-373-5191<br/>e-mail:skuraoka※kuh.kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/09/13 14:00:00 GMT+9 ページ 2型糖尿病およびそれに伴う脂肪蓄積や線維化を改善する新たな治療薬候補の発見_足彩胜负彩 /whatsnew/seimei/20240911 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>当研究室で抗線維化薬として開発されたHPH-15が、2型糖尿病の治療薬候補となることを発見しました。</li>&#13; <li>糖代謝に関与する臓器のモデル細胞を用いた実験より、HPH-15が糖代謝改善に重要な蛋白質AMPKを活性化する作用をもつことを明らかにしました。</li>&#13; <li>高脂肪食肥満モデルマウスを用いた実験より、HPH-15は血糖値抑制作用を示すこと、肝臓?脂肪組織において同効薬のメトホルミンよりも強い脂肪蓄積抑制作用および抗線維化作用をもつことを明らかにしました。</li>&#13; <li>HPH-15は、血糖値と脂肪の減少効果、さらに抗線維化作用を併せ持つ画期的な薬剤として展開されることが期待されます。<br/><br/><em/></li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】</p>&#13; <p> AMPKは、肝臓?筋肉?脂肪組織にて細胞内のエネルギー不足を感知する蛋白質であり、カロリー制限や運動などによって活性化されます。そのため、AMPKの活性化は運動時と同じメカニズムによって糖を代謝し、膵臓への負担もないため2型糖尿病治療薬の創薬標的として有望です。<br/> 今回、熊本大学大学院生命科学研究部(薬学系)サイエンスファーム生体機能化学共同研究講座の立石大 客員准教授(平田機工株式会社 研究開発本部 遺伝資源研究開発部 研究開発グループ 主任)、博士後期課程3年の當眞嗣雅 大学院生、熊本大学病院糖尿病?代謝?内分泌内科の荒木栄一 名誉教授(菊池郡市医師会立病院 顧問、熊本保健科学大学 健康?スポーツ教育研究センター 特任教授)らの研究グループは、抗線維化<sup>*1</sup>薬として開発中である低分子化合物HPH-15が、AMPKの活性化を介した血糖降下作用に加えて脂質代謝改善作用を有していることを明らかにしました。脂肪蓄積は合併症のリスク因子であるため、脂肪と血糖値の減少効果を併せ持つHPH-15は画期的や薬剤になることが期待されます。<br/> 本研究成果は、令和6年9月9日に欧州の科学誌で糖尿病関係のトップジャーナルであるDiabetologiaにオンラインで発表されました。本研究は、日本学術振興会特別研究員事業、科学研究費助成事業、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)橋渡し研究プログラム、肥後銀行イノベーション応援プログラム、次世代ベンチャー創出支援事業化可能性調査委託事業の支援を受けて実施されました。</p>&#13; <p><br/><em/></p>&#13; <p>【展開】</p>&#13; <p> 本研究により、HPH-15がAMPK活性化による血糖降下作用だけでなく脂肪蓄積および脂肪組織の肥大化を抑制することが明らかになりました。組織への過剰な脂肪蓄積は、糖尿病合併症のリスク因子であるため、脂肪と血糖値の減少効果を併せ持つHPH-15は新規2型糖尿病治療薬として有用であることが期待されます。また2型糖尿病患者では組織の線維化が促進されることが知られており、臓器不全といった重篤な症状を呈します。HPH-15は肝臓と脂肪組織に対する抗線維化作用も有する点でメトホルミンと異なり、糖尿病に伴う肝硬変やNAFLD/NASH*5をはじめとする肝合併症にも有用な薬剤として期待されます。</p>&#13; <p><br/>【用語解説】<br/>*1:線維化<br/> 皮膚や組織にコラーゲンなどの細胞外基質が過剰に沈着し、硬化する現象のことです。組織の線維化が進むと、組織が本来有している機能が損なわれてしまいます。<br/><br/></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <ul>&#13; <li>論文名:An anti-fibrotic compound that ameliorates hyperglycaemia and fat accumulation in cell and HFD mouse models.</li>&#13; <li>著者:當眞嗣雅1、宮川展和2、新垣唯一1、渡邊拓郎2、中原涼晴1、 Taha F.S. Ali1,3、Tanima Biswas1、戸高幹夫4、近藤龍也2、藤田美歌子1、大塚雅巳1,5、荒木栄一2,6,7*、立石大1,8*(*Corresponding authors)<br/>1熊本大学大学院生命科学研究部(薬学系)サイエンスファーム生体機能化学共同研究講座、2熊本大学病院糖尿病?代謝?内分泌内科、3Minia大学薬学部医薬品化学講座、4とだか内科クリニック、5サイエンスファーム株式会社研究開発本部、6菊池郡市医師会立病院、7熊本保健科学大学健康?スポーツ教育研究センター、8Hirata Corporation, Research and Development Headquarters, Research and Development Department</li>&#13; <li>掲載誌:Diabetologia</li>&#13; <li>doi:<a href="https://link.springer.com/article/10.1007/s00125-024-06260-y">10.1007/s00125-024-06260-y</a></li>&#13; <li>URL:<a href="https://link.springer.com/article/10.1007/s00125-024-06260-y">https://link.springer.com/article/10.1007/s00125-024-06260-y</a></li>&#13; </ul>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240911.pdf">プレスリリース</a>(PDF526KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学大学院生命科学研究部(薬学系)<br/>共同研究講座教員:藤田 美歌子<br/>電話:096-371-4622<br/>e-mail:mfujita※kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/09/11 12:50:00 GMT+9 ページ 着床を促進するプロスタグランジン受容体の発見:着床促進剤としてDP/EP4作動薬の不妊治療への適用に期待_足彩胜负彩 /whatsnew/seimei/20240910 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>プロスタグランジン(PG) <sup>*1</sup>は?全身の臓器で産生される一連の生理活性脂質であり?発熱や疼痛などの病態作用を発揮する一方で、分娩などの生殖プロセスに関わることが知られていました?</li>&#13; <li>子宮では、着床時に産生されるPGが、着床部位(IS)の肥大(脱落膜化)<sup>*2</sup>を起こすことが知られていましたが、その作用を伝達する受容体は不明でした。</li>&#13; <li>今回、マウスを用いた実験により、着床時の子宮では、PGE<sub>2</sub>に加えPGD<sub>2</sub>が産生され、それぞれEP4受容体とDP受容体に作用し?脱落膜化の促進因子として働くことを発見しました。したがって、着床の際にDPまたはEP4受容体いずれかを活性化すれば、脱落膜化を誘導できることを示しました?</li>&#13; <li>PGはヒトでも同様に働く可能性が高く?DP/EP4作動薬でPGの働きを強めれば?不妊の原因となる着床障害の改善に繋がることが期待されます?<br/><br/><em/></li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】</p>&#13; <p> 熊本大学大学院生命科学研究部 杉本幸彦教授?稲住知明助教らの研究グループは?東京大学大学院医学系研究科 廣田泰教授?藍川志津特任研究員?熊本大学生命資源研究?支援センター 竹尾透教授らとの共同研究により、着床刺激により子宮内膜で産生される生理活性脂質プロスタグランジン(PG)D<sub>2</sub>が?その受容体DPを介して脱落膜化を促進すること、本経路と並行してPGE<sub>2</sub>-EP4受容体経路も脱落膜化を促進すること、両経路を同時に遮断すると脱落膜化が障害されることを世界で初めて明らかにしました。本成果に基づき?DP受容体やEP4受容体の作動薬が、不妊治療、とくに子宮側の着床障害の改善に効果を発揮することが期待されます?<br/>なお、本件研究成果は、米国科学誌「Journal of Lipid Research」に令和6年8月30日(金)付で公開されました。?</p>&#13; <p><br/><br/><em/></p>&#13; <p>【成果】<br/> 本研究は?胚が子宮に接着(着床)して脱落膜化が起こる分子機構に関する新たな学術的理解を与えるとともに?命を育むために複数のPG受容体が互いに機能を補完して着床プロセスを実現していることを解明したものです?</p>&#13; <p><br/><br/><em/></p>&#13; <p>【展開】<br/> PG受容体はヒト子宮においても同様に機能している可能性が高く?DPやEP4の受容体作動薬でPGの働きを強めれば?不妊治療で問題となる着床不全の予防?治療に繋がることが期待されます?</p>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p><br/><br/><em/></p>&#13; <p>【用語解説】<br/>※1 プロスタグランジン (Prostaglandin: PG) <br/>PGD<sub>2</sub>とPGE<sub>2</sub>は、シクロオキシゲナーゼ(COX)の働きで産生される代表的な生理活性脂質(図5)であり、前者は睡眠誘導やアレルギー応答、後者は発熱や疼痛、炎症惹起など多彩な生理作用を発揮する。<br/><br/>※2 脱落膜化<br/>子宮は、外側の筋層、内側の管腔上皮、その間を埋める間質で構成されている(図6)。胚が管腔上皮に接着し、着床が起こると、上皮が崩壊して胚を間質内へ取込むとともに、胚周囲の間質細胞が脱落膜細胞へ分化?増殖して胎盤の基礎を形成し、胚のベッドとして働く。 この現象は脱落膜化と呼ばれる。 <br/><em/></p>&#13; <p><br/><br/><br/><em/></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <ul>&#13; <li>論文名:“Uterine prostaglandin DP receptor induced upon implantation contributes to decidualization together with EP4 receptor”</li>&#13; <li>著者:Risa Sakamoto, Takuji Fujiwara, Yuko Kawano, Shizu Aikawa, Tomoaki Inazumi, On Nakayama, Yukiko Kawasaki-Shirata, Miho Hashimoto-Iwasaki, Toshiko Sugimoto, Soken Tsuchiya, Satohiro Nakao, Toru Takeo, Yasushi Hirota, Yukihiko Sugimoto</li>&#13; <li>掲載誌:Journal of Lipid Research</li>&#13; <li>doi:<a href="https://www.jlr.org/article/S0022-2275(24)00141-X/fulltext">10.1016/j.jlr.2024.100636</a></li>&#13; <li>URL:<a href="https://www.jlr.org/article/S0022-2275(24)00141-X/fulltext">https://www.jlr.org/article/S0022-2275(24)00141-X/fulltext</a></li>&#13; </ul>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】<a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240910-3.pdf">プレスリリース</a>(PDF747KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; 熊本大学大学院生命科学研究部(薬学系)<br/>担当:教授 杉本幸彦<br/>電話:096-371-4357<br/>E-mail:ysugi※kumamoto-u.ac.jp<br/>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/09/10 14:34:00 GMT+9 ページ 水素結合集積化により 磁気スイッチング機能の活性化に成功! 役に立たない分子を役立つ分子へ_足彩胜负彩 /whatsnew/sizen/20240909 <![CDATA[<p style="text-align: justify;"><span/>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li style="text-align: justify;">コバルトイオンと鉄イオンからなる磁気スイッチング分子に着目</li>&#13; <li style="text-align: justify;">キラルなカルボン酸を用いた水素結合集積体が磁気スイッチング挙動を発現することを発見</li>&#13; <li style="text-align: justify;">外場応答性磁気スイッチング分子の新たな開発方法を提案</li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】 </p>&#13; <p> 熊本大学大学院自然科学教育部博士後期課程1年の福島 陸大学院生、同大学大学院先導機構の関根 良博准教授、同大学大学院先端科学研究部の速水 真也教授らの研究グループは、外場応答性を示さない金属錯体<sup>※1</sup>分子ユニットに対して、キラルなカルボン酸との共結晶化によって水素結合を新たに形成させることで、急峻で完全に磁気スイッチングON/OFF可能な分子集合体の開発に成功しました。分子ユニットは、コバルトイオン(Co<sup>2+</sup>)と鉄イオン(Fe<sup>3+</sup>)が有機分子で架橋された二核構造からなります。通常、異なる金属イオンからなる錯体分子において、分子の中で電子は移動することができません。本研究では、分子ユニットをキラルなカルボン酸によって集積化させることで開発した一次元鎖状集合体において、温度変化によってコバルトイオンと鉄イオンの間での分子内電子移動を示し、反磁性<sup>※2</sup>と常磁性<sup>※3</sup>を可逆に変換可能な磁気スイッチング挙動を示すことが分かりました。今回の研究成果によって、外部刺激応答性を示さない分子ユニットであっても、機能発現に適した集積化方法を適用することで磁気スイッチング挙動を示す分子開発が可能であることを明らかにしました。さらに、構成する有機配位子のわずかな違いにより、磁気スイッチング温度を制御可能であることが分かりました。本研究は、水素結合形成を介した分子内電子移動を創出するための新しい分子合成戦略を提示するものです。</p>&#13; <p> 本研究成果は令和6年7月22日にアメリカ化学会雑誌「Journal of the American Chemical Society」にオンライン掲載され、雑誌の「Supplementary Cover Art」にも選出されました。なお、本研究は文部科学省科学研究費補助金、日本学術振興会 卓越研究員事業、熊本大学国際先端科学技術研究機構 若手研究者支援事業、物質?デバイス領域共同研究拠点 基盤共同研究、公益財団法人 住友財団などの支援を受けて行われました。</p>&#13; <p>【展開】</p>&#13; <p> 本研究成果から、急激で完全な磁気スイッチング挙動を達成するための新しい合成戦略を見出しました。この発見は、分子間相互作用と外場応答性電子移動挙動の相関を明らかにするものであり、水素結合集合法の重要性を強調するものです。クリスタルエンジニアリングの観点から外部刺激応答性分子ユニットに着目すると、水素結合は結晶格子の集積構造様式に影響を与えるだけでなく、分子の電子およびスピン状態変化にも大きく影響を与えることが分かりました。さらにこのことは、生体系と同様に、固体状態での水素結合形成が、電子供与体/受容体部位の酸化還元電位に影響を与え、それによって電子やイオンの移動、あるいは金属錯体中のイオンチャネルを制御する可能性があります。さらに、本研究で提案した戦略は、水素結合と電子移動の相関を示し、機能性分子の開発を系統的に促進することが期待されます。</p>&#13; <p/>&#13; <p><strong>(論文情報)</strong></p>&#13; <p>論文名:Assembling Smallest Prussian Blue Analogs Using Chiral Hydrogen Bond–Donating Unit Toward Complete Phase Transition<br/>著者:Riku Fukushima, Yoshihiro Sekine*, Zhongyue Zhang, Shinya Hayami*<br/>(*: equal correspondence)<br/>掲載誌:Journal of the American Chemical Society<br/>doi:10.1021/jacs.4c05065<br/>URL:https://doi.org/10.1021/jacs.4c05065</p>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240909.pdf">プレスリリース</a>(PDF1292KB)</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/>????  <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_09_ja_2.png/@@images/18ac5cdf-a729-4a68-b05f-2defc6e8fbe3.png" title="sdg_icon_09_ja_2.png" width="133" alt="sdg_icon_09_ja_2.png" height="127" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong> お問い合わせ </strong> <br/>熊本大学 総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3271<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/09/09 16:20:00 GMT+9 ページ 室町幕府滅亡約1年前の織田信長書状を発見 細川藤孝にすがる信長「あなただけが頼りです」_足彩胜负彩 /whatsnew/zinbun/20240906 <![CDATA[<p>(ポイント)</p>&#13; <ul>&#13; <li>公益財団法人永青文庫(東京都文京区:以下「永青文庫」)には、細川藤孝(1534―1610)を初代とする大名肥後細川家に伝来した数多くの重宝が保管されています。なかでも、織田信長(1534―1582)の発給文書59通はとくに貴重なもので、すべてが国の重要文化財に指定されています。ひとところに伝来する数としては比類がなく、内容も重要なものが多いため、これまで多くの研究者に注目されてきました。</li>&#13; <li>?2022年、永青文庫と熊本大学永青文庫研究センターとの共同調査によって、永青文庫の収蔵庫から、60通目の信長発給文書が発見されました。慎重に検討を重ねたところ、信長が、いわゆる「室町幕府の滅亡」(将軍足利義昭(1537―1597)の京都没落)の前年にあたる元亀3年(1572)の8月15日に、藤孝に出した未知の書状であることがわかりました。</li>&#13; <li>本書状には、元亀4年(1573)7月における義昭の京都没落の背景に関わる貴重な情報が含まれています。信長が足利義昭とともに構築した幕府体制がわずか5年後に崩壊した主な要因が、義昭側近衆と信長との対立にあったこと。側近衆の中にあって細川藤孝ただ一人が信長と通じ、義昭挙兵の半年も前から畿内の領主層を信長方に組織する活動を続けていたこと、などです。幕府政治が混迷を極める中、まさに藤孝は、信長の京都における頼みの綱でした。</li>&#13; <li>義昭の側近中の側近として義昭と信長を結び付けた細川藤孝が、「室町幕府の滅亡」を実現させるキーマンともなったのです。新発見の信長書状によって、信長の権力のあり方を大きく左右した藤孝の存在がクローズアップされます。</li>&#13; </ul>&#13; <p><br/>【今後の展開】</p>&#13; <p> 信長が、「あなたの働きこそが重要なのです」と書き送っていたように、幕府政治が混迷の一途を辿った元亀年間(1570―1573)、信長の京都における頼みの綱は細川藤孝でした。信長と同じ1534年に幕府家臣の名門三淵家に生まれた藤孝は、13代将軍足利義輝の奉公衆として台頭し、義輝が暗殺されると、その弟の義昭の側近中の側近となり、義昭と信長を結び付けて正統幕府を再興するという大仕事をやってのけます。その藤孝が「室町幕府の滅亡」を実現させるキーマンともなったのです。信長と幕府権力のあり方を大きく左右した細川藤孝の畿内領主層との人脈、当該時期における彼の具体的活動や政治思想を究明することが、「本能寺の変」を含む織田政権期の政治史研究にとっての大きなテーマとなります。<br/>なお、本書状の原本は、東京都文京区目白台の永青文庫で2024年10月5日~12月1日に開催される秋季展「熊本大学永青文庫研究センター設立15周年記念「信長の手紙」」に出品されます。また、同展覧会に合わせて刊行予定の『永青文庫 織田信長文書の世界―珠玉の60通―』(勉誠社)に収録されます。</p>&#13; <p>【詳細】<a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240906.pdf">プレスリリース</a>(PDF921KB)<br/><br/><br/></p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_11_ja_2.png/@@images/3e65ac63-a99f-499d-9d43-ef80aee0b58e.png" title="sdg_icon_11_ja_2.png" alt="sdg_icon_11_ja_2.png" class="image-inline"/>????</p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong>お問い合わせ</strong><br/>熊本大学永青文庫研究センター<br/>担当:(センター長、教授)稲葉 継陽<br/>電話:096-342-2304<br/>E-mail:inaba※kumamoto-u.ac.jp<br/>(迷惑メール対策のため@を※に置き換えております)</address>]]> No publisher 研究 2024/09/06 15:00:00 GMT+9 ページ 「孔」を持たない酸化グラフェンを用いた 水素イオンバリア膜の開発に成功 ?保護膜などへの応用展開が期待?_足彩胜负彩 /whatsnew/sizen/20240904 <![CDATA[<p style="text-align: justify;"><span/>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>構造内に「孔」を持たない酸化グラフェンを合成し、薄膜化することに成功しました。</li>&#13; <li>「孔」を持たない酸化グラフェンは、水素イオンを通しにくい性質があることを突き止めました。</li>&#13; <li>水素イオンは、酸化グラフェンの「孔」を介して伝導していることを証明しました。</li>&#13; <li>「孔」を持たない酸化グラフェンをリチウム箔にコーティングすることでリチウム箔を水滴から守ることに成功しました。</li>&#13; </ul>&#13; <p>【本研究の内容】 </p>&#13; <p>?熊本大学産業ナノマテリアル研究所の畠山一翔助教と伊田進太郎教授らの研究グループは構造内に「孔」が無い酸化グラフェンを合成し薄膜化することで、水素イオンバリア膜の作製に成功しました。多機能なナノシートである酸化グラフェンは、溶液プロセスにより様々な物体の表面に薄膜を形成できることから、次世代のコーティング材料として期待されています。しかし、酸化グラフェンはイオンを高速に伝導する性質があり、イオンバリア膜としての使用は困難でした。本研究では、構造内に「孔」を持たない酸化グラフェンを合成し薄膜化することで、これまでの酸化グラフェンの常識を覆す水素イオンバリア膜の開発に成功しました。今回開発した酸化グラフェン膜は従来の膜と比較して最大10万倍の水素イオンバリア特性を示し、厚さ数100 nmのコーティングでリチウム箔を水滴から守ることに成功しました。また、本研究の結果から、水素イオンは酸化グラフェンの「孔」を介して移動していることを明確に示しました。</p>&#13; <p>?本研究成果は令和6年8月27日にWileyが発行する科学雑誌「Small」にオンライン掲載されました。</p>&#13; <p>【本研究の意義】</p>&#13; <p> 溶液プロセスにより薄膜が容易な<span>GO</span>は、様々な用途のコーティング材料として期待されています。本研究にて明らかにした水素イオンバリア特性は、これまで難しいとされてきた防錆や水素インフラに対しても<span>GO</span>膜が有効であることを示しています。今後は、水素イオンバリア性能を活かした応用展開を進めるのと同時に、<span>GO</span>の構造に存在する「孔」の存在で困難とされてきたその他の機能開拓にも力を入れて行く予定です。</p>&#13; <p><br/>【論文情報】</p>&#13; <p/>&#13; <p>論文名:Anomalous Proton Blocking Property of Pore-Free Graphene Oxide Membrane<br/>著者:Tatsuki Tsugawa, Kazuto Hatakeyama*, Michio Koinuma, Norihiro Moriyama, and Shintaro Ida*?<br/>掲載誌:Small<br/>doi:10.1002/smll.202400707<br/>URL:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/smll.202400707</p>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240904-1.pdf">プレスリリース</a>(PDF1292KB)</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/>????  <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_09_ja_2.png/@@images/18ac5cdf-a729-4a68-b05f-2defc6e8fbe3.png" title="sdg_icon_09_ja_2.png" width="133" alt="sdg_icon_09_ja_2.png" height="127" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong> お問い合わせ </strong> <br/>熊本大学 総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3271<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/09/04 14:00:00 GMT+9 ページ 同時多項目測定装置による新型コロナ変異ウイルスの新規検査法~ウイルスの進化に対応可能な新しい分子診断法~_足彩胜负彩 /whatsnew/seimei-sentankenkyu/20240819 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>次世代同時多項目検出システムIntelliPlex<sup>※1</sup>と計算プログラムOVI(Objective Variant Identification)<sup>※2</sup>を組み合わせた新規変異ウイルス識別システム「Intelli-OVI」を開発しました。</li>&#13; <li>Intelli-OVIを使った検査によって、20種類以上の異なるSARS-CoV-2変異ウイルスを迅速かつ高精度に分類することが可能になります。</li>&#13; <li>この新世代分子診断ツールが将来のパンデミックへの備えとなり、安心安全な社会実現への貢献が期待されます。<br/><br/><br/></li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】 <br/>???? ヒトレトロウイルス学共同研究センター熊本大学キャンパスの佐藤賢文教授、東京都健康安全研究センター及び熊本保健科学大学の共同研究グループは、新しい新型コロナ変異ウイルス診断ツール「Intelli-OVI」を開発しました。<br/><br/><br/><br/></p>&#13; <p>【今後の展開】</p>&#13; <p> 本研究の結果は、足彩胜负彩の例を用いて、Intelli-OVIが迅速に進化するウイルスに対応できることを示しており、将来のパンデミックウイルスなど様々なウイルス感染症の診断ツールへの応用が期待されます。今後も、この新世代分子診断ツールが新たな新興再興ウイルスの出現時への備えとなり安心安全な社会実現を目指して、更なる研究開発を行います。<br/><br/> 本研究成果は令和6年8月9日に英科学誌「Communications Medicine」に掲載されました。本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業 戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)日?英国共同研究「ヒトT細胞白血病ウイルス1型:シングルセル解析によるウイルス遺伝子発現の多様性解析およびその制御機序解明研究」(JP22jm0210074)、デンカ株式会社の支援を受けて行われました。</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>※1:IntelliPlex<br/>PlexBio社によって開発された高感度多項目同時測定システム。<br/>πCode法(後述)と蛍光測定技術を組み合わせることで高感度と同時多項目測定の両立を実現している。<br/>πCode法とは、新たなラベリング方法を用いた磁性マイクロディスクに抗体やDNAプローブを固定することで検査対象の種類を特定し、同時多項目測定を可能とした技術。<br/>デンカ株式会社が、2021年6月に、IntelliPlexを用いて当時の流行ウイルスの変異部位を検出できる検出用研究試薬を販売している。<br/>なお、IntelliPlex、πコードはPlexBio社の日本国内商標<br/>※2:OVI(Objective Variant Identification)<br/>IntelliPlexで得られたデータを解析し、複数の変異株を同時に同定するための計算アルゴリズム。<br/><br/><br/><br/></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <p>論文名:A micro-disc-based multiplex method for monitoring emerging SARS-CoV-2 variants using the molecular diagnostic tool Intelli-OVI<br/>著? 者:Md Belal Hossain, Yoshikazu Uchiyama, Samiul Alam Rajib, Akhinur Rahman, Mitsuyoshi Takatori, Benjy Jek Yang Tan, Kenji Sugata, <br/>Mami Nagashima, Mamiyo Kawakami, Hitoshi Ito, Ryota Kumagai,Kenji Sadamasu, Yasuhiro Ogi, Tatsuya Kawaguchi, Tomokazu Tamura, Takasuke Fukuhara, Masahiro Ono, Kazuhisa Yoshimura &amp; Yorifumi Satou.<br/>掲載誌:Communications Medicine<br/>DOI:<a href="https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39122992/">10.1038/s43856-024-00582-z</a><br/>URL:<a href="https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39122992/">https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39122992/</a></p>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240819-2.pdf">プレスリリース</a>(PDF354KB)</p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>(研究に関すること)<br/>ヒトレトロウイルス学共同研究センター<br/>熊本大学キャンパス <br/>ゲノミクス?トランスクリプトミクス学分野<br/> 教授 佐藤 賢文(さとう よりふみ)<br/>Tel:096-373-6830<br/>E-mail:y-satou※kumamoto-u.ac.jp<br/>研究室HP:https://kumamoto-u-jrchri.jp/satou/<br/><br/>(報道に関すること)<br/>熊本大学総務部総務課広報戦略室<br/>Tel:096-342-3269 Fax:096-342-3110<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/08/19 11:00:00 GMT+9 ページ 熊本大学とTOPPAN、くずし字AI-OCRを活用した古文書の大規模調査のための独自手法を開発_足彩胜负彩 /whatsnew/zinbun/20240726 <![CDATA[<p>【概要説明】</p>&#13; <p> 国立大学法人 熊本大学(所在地:熊本県熊本市、学長:小川久雄、以下熊本大学)とTOPPAN ホールディングスのグループ会社であるTOPPAN 株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:齊藤昌典、以下 TOPPAN)は、熊本大学が公益財団法人永青文庫から寄託を受けている歴史資料『細川家文書(ほそかわけもんじょ)』のうち、専門家でも解読が困難な難易度の高いくずし字で書かれた約5 万枚の未解読の古文書(藩政記録)をAI-OCR を用いて短期間で解読し、約950 万文字のテキストデータを生成することに成功しました。<br/> さらに、くずし字資料の解読システムと連動するキーワード検索システムを構築することにより、江戸時代前期の細川藩領国(小倉領40 万石から熊本領54 万石)の、約90年間にわたるあらゆる社会的事件や統治制度の変容を示す記述を含んだ資料を即時に検索収集できるようになりました。<br/> 今回解読した古文書は、『細川家文書』のうち、細川家奉行所の執務記録である「奉行所日帳(ぶぎょうしょにっちょう)」、藩主細川忠利の口頭での命令を日次に記録した「奉書(ほうしょ)」、参勤中の細川藩主が国元の家老?奉行衆に発した書状の控えである「御国御書案文(おくにごしょあんもん)」、小倉?熊本の惣奉行衆から各業務を担当する奉行たちへ発せられた指示書類の控えである「方々(かたがた)への状控(じょうひかえ)」など、合計約5万枚です。<br/> また、くずし字AI-OCRにより作成したテキストデータに対して、今回「地震、大雨、洪水、虫、飢、疫」などの災害に関連するキーワードで検索?調査を実施したところ300 件以上の記述を発見しました。その中には、知られざる自然災害、疫病流行や飢饉など、歴史学?地域防災研究において重要な資料も含まれます。<br/> 今後、熊本大学とTOPPAN は、『細川家文書』の解読と分析を進め、江戸時代の社会史研究の通時的深化に貢献するとともに、新しく発見された災害関連の記録を活用することで、現代における防災意識の醸成、防災計画の策定等にも活用を目指します。</p>&#13; <p><br/>【今後の展開】</p>&#13; <p> 今後、熊本大学およびTOPPAN は、共同で『細川家文書』を解読し、当研究を通じて現代における防災計画や、歴史学の学習?研究の拡大に貢献します。<br/>熊本大学は、『細川家文書』の解読と分析を進め、一時代の中でも細分化された短期間の枠内で完結するような研究法を克服して、江戸時代の長期にわたる社会変容の過程を通時的に把握し、九州に基点をすえた江戸時代社会史研究の深化に取り組んでいきます。<br/> また、TOPPAN はグループ会社であるTOPPAN デジタル、TOPPANエッジとも連携し、AI-OCRによる古文書解読支援システム「ふみのは?」の精度向上を目指すとともに、全国の様々な教育機関、博物館?資料館、地方自治体などと提携し、全国各地に眠る貴重な歴史的資料の研究?活用の支援に取り組んでいきます。</p>&#13; <p>【詳細】<a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240726.pdf">プレスリリース</a>(PDF444KB)<br/><br/><br/></p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_11_ja_2.png/@@images/3e65ac63-a99f-499d-9d43-ef80aee0b58e.png" title="sdg_icon_11_ja_2.png" alt="sdg_icon_11_ja_2.png" class="image-inline"/>????</p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong>お問い合わせ</strong><br/>熊本大学永青文庫研究センター<br/>担当:(センター長、教授)稲葉 継陽<br/>電話:096-342-2304<br/>E-mail:inaba※kumamoto-u.ac.jp<br/>(迷惑メール対策のため@を※に置き換えております)</address>]]> No publisher 研究 2024/07/26 10:20:00 GMT+9 ページ 造血幹細胞の発生過程を試験管内で再現することに成功_足彩胜负彩 /whatsnew/seimei-sentankenkyu/20240725 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>造血幹細胞<sup>*1</sup>は複数の分化段階を経て発生しますが、分化の進行に必要なシグナル因子<sup>*2</sup>が分化段階ごとに変化することを明らかにしました。</li>&#13; <li>造血幹細胞の前駆細胞である血管内皮細胞<sup>*3</sup>を試験管内で培養する際に、胚体内と同様の環境を再現することで、造血幹細胞を誘導することに成功しました。</li>&#13; <li>この培養法は特殊な材料を必要とせず汎用性が高いという利点を有しており、さらに造血幹細胞の発生過程を再現することから、造血幹細胞発生の分子メカニズムを解明するための研究ツールとして有用です。</li>&#13; <li>この培養法が、将来的に多能性幹細胞 (ES細胞及びiPS細胞)<sup> *4</sup> からの造血幹細胞誘導につながることが期待されます。</li>&#13; </ul>&#13; <ul>【概要説明】</ul>&#13; <p> 熊本大学 発生医学研究所の古賀沙緒里助教及び小川峰太郎教授のグループは、造血幹細胞の前駆細胞である血管内皮細胞から造血幹細胞を試験管内で分化誘導することに成功しました。これまで、血管内皮細胞から造血幹細胞を試験管内で分化させるためには、人工的に遺伝子を改変した支持細胞<sup>*5</sup>との共培養や血清存在下での培養が必要でした。そのため、汎用性が低く、血清中のサイトカイン<sup>*6</sup>等の影響があるためメカニズム解明の妨げになるという問題点がありました。そこで本研究では、誰でも利用できる材料のみを使用した血清フリーの培養法の構築を目指しました。その結果、市販されている一般的な血管内皮細胞株<sup>*7</sup>を支持細胞として用いて、SCF (ステムセルファクター) とTPO (トロンボポエチン) のみを添加することで、造血幹細胞を分化誘導することに成功しました。</p>&#13; <p>造血幹細胞は、胎生期に血管内皮細胞からプレ造血幹細胞を経て発生します。血管内皮細胞からプレ造血幹細胞への分化は大動脈の内腔で起こりますが、本研究でこの環境に存在する血管内皮とそこから産生されるSCFがこの分化過程に寄与していることが分かりました。また、プレ造血幹細胞から造血幹細胞への分化にはSCFとTPOが必要であり、プレ造血幹細胞がこれらの因子を受け取るためには肝臓への移行が必要であることも明らかにしました。本研究により構築した培養法は、血管内皮細胞から造血幹細胞が発生する過程に必要な環境を再現しており、造血幹細胞発生の詳細なメカニズムを解明できる強力な研究ツールになります。さらに、将来的にはES細胞やiPS細胞からの造血幹細胞誘導につながることが期待されます。</p>&#13; <p>本研究成果は、日本時間2024年7月23日に米国科学アカデミー紀要『Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS)』のオンライン版に掲載されました。本研究は、東京女子医科大学及び東京医科歯科大学との共同で行われたものです。また、本研究は文部科学省 科学研究費助成事業、公益財団法人 稲盛財団、熊本大学 めばえ研究推進事業、熊本大学 発生医学研究所 共同研究拠点、熊本大学 発生医学研究所 高深度オミクス医学研究拠点ネットワーク形成事業の支援を受けて実施されました。</p>&#13; <p><span>【展開】</span></p>&#13; <p> 本研究により構築した培養法は、造血幹細胞の発生過程を詳細に解明できる強力な研究ツールになります。また、世界中で利用可能な汎用性の高い培養法であり、造血幹細胞の発生に関する研究の進展に貢献できると考えています。さらに、将来的には多能性幹細胞から造血幹細胞への分化誘導の実現につながることが期待されます。</p>&#13; <p><span/></p>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>*1: 造血幹細胞<br/>骨髄に存在し、自分自身を複製する能力(自己複製能)と全ての血液細胞に分化できる能力(多分化能)を併せ持つ組織幹細胞の一つ。胎児期に発生し、生後から生涯にわたって血液細胞を産生し続ける。</p>&#13; <p>*2: シグナル因子<br/>細胞の機能を調節するシグナル伝達物質であり、分化、増殖、活性化、抑制等の細胞応答を引き起こす。タンパク質、遺伝子、脂質等、様々な物質がシグナル因子として働くことが知られている。</p>&#13; <p>*3: 血管内皮細胞<br/>血管の最も内側の層(血管内皮)を形成し、血管内腔面を裏打ちしている細胞。一部の血管内皮細胞は胎児期に一過性ではあるが血液細胞へと転換する能力を持ち、造血幹細胞の起源となるプレ造血幹細胞を生み出す。</p>&#13; <p>*4: 多能性幹細胞<br/>体を構成するほぼ全ての細胞に分化する能力と無限に増殖する能力がある。受精卵から発生した胚から樹立される胚性幹細胞 (ES細胞) と、体細胞に複数の遺伝子を導入することで人工的に樹立される人工多能性幹細胞 (iPS細胞) が多能性幹細胞として利用されている。</p>&#13; <p>*5: 支持細胞<br/>特定の細胞を培養する際に、その細胞が接着しやすいように足場となる細胞。培養環境を整えるために用いられており、細胞の未分化性の維持、分化、増殖等の重要な役割を担う場合もある。</p>&#13; <p>*6: サイトカイン<br/>免疫細胞や組織構成細胞から産生される分泌タンパク質であり、生理活性作用を有する。細胞の分化、増殖、活性化、抑制等、様々な細胞応答を引き起こし、細胞間相互作用にも関与する。</p>&#13; <p>*7: 血管内皮細胞株<br/>様々な組織の血管内皮に由来し、安定して増殖する性質を有しているため長期間にわたって培養できる細胞。それぞれの細胞株により由来や特徴などに違いがあるが、血管内皮細胞としての一定の性質を共通して持つ。</p>&#13; <p><br/>【論文情報】</p>&#13; <p>論文名:Transition of signal requirement in hematopoietic stem cell development from hemogenic endothelial cells<br/>著者:Saori Morino-Koga (責任著者), Mariko Tsuruda, Xueyu Zhao, Shogo Oshiro, Tomomasa Yokomizo, Mariko Yamane, Shunsuke Tanigawa, Koichiro Miike, Shingo Usuki, Kei-ichiro Yasunaga, Ryuichi Nishinakamura, Toshio Suda and Minetaro Ogawa (責任著者)<br/>掲載誌:Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS)<br/>doi:<a href="https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2404193121">10.1073/pnas.2404193121</a><br/>URL:<a href="https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2404193121">https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2404193121</a></p>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240725-1.pdf">プレスリリース</a>(PDF484KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p>?</p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" width="142" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" height="134" class="image-inline"/>??</p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学発生医学研究所 組織幹細胞分野<br/>担当:教授  小川 峰太郎<br/>電話:096-373-6591<br/>e-mail:ogawamin※kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>担当:助教 古賀 沙緒里<br/>電話:096-373-6592<br/>e-mail:kogas<span>※</span>kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/07/25 00:00:00 GMT+9 ページ 熊本-TSMC健康長寿プロジェクト発足式を開催しました_足彩胜负彩 /whatsnew/seimei/Kumamoto-TSMC-Project <![CDATA[<p/>&#13; <p> 令和6年7月17日、工学部百周年記念館において、熊本<span>-TSMC</span>健康長寿プロジェクト発足式を開催しました。</p>&#13; <p> 本プロジェクトは、熊本大学、<span>TSMC</span>慈善財団、台湾国立陽明交通大学、菊陽町、国立長寿医療研究センターの連携の下、地域住民の健康長寿に関する取り組みについて検討を行い、実施していくものです。</p>&#13; <p> 発足式では、熊本大学の小川久雄学長、国立陽明交通大学の林奇宏学長、菊陽町の吉本孝寿町長、国立長寿医療研究センターの荒井秀典理事長及び<span>TSMC</span>慈善財団の張淑芬会長による挨拶が行われ、続いて、熊本大学及び<span>TSMC</span>慈善団体の紹介、プロジェクト関係者によるプレゼンテーションが行われました。</p>&#13; <p> 本学からは、大谷順理事より「熊本大学の紹介」について、山縣和也生命科学研究部附属健康長寿代謝制御センター長より、「熊本県における高齢者のニーズについて」、富澤一仁理事より「<span>TSMC</span>社員の子女に対する医療?教育体制について」という題目で発表が行われました。</p>&#13; <p> その後のディスカッションでは、菊陽町民の健康長寿に関するプログラムを提供するなど今後の取り組みについて、活発な意見交換が行われ、終始和やかな雰囲気の中、最後は、尾池生命科学研究部長の挨拶で閉会を迎えました。</p>&#13; <p> 今後の更なる発展及び連携強化が期待されます。</p>&#13; <p> ※当日の様子は、生命科学研究部のホームページ(<span><a href="http://www.medphas.kumamoto-u.ac.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">http://www.medphas.kumamoto-u.ac.jp/</a></span>)でご覧頂けます。</p>&#13; <p/>&#13; <p> <img src="/whatsnew/seimei/kumamoto-TSMC-s.jpg/@@images/269b96e6-3f48-45e0-86ec-d2cf5dd8343b.jpeg" title="kumamoto-TSMC-s.jpg" alt="kumamoto-TSMC-s.jpg" class="image-inline"/></p>&#13; <p/>]]> No publisher 研究 その他 2024/07/24 11:00:00 GMT+9 ページ 老化細胞による炎症促進を担う酵素「ACLY」の発見-ACLY阻害が加齢に伴う慢性炎症を改善する-_足彩胜负彩 /whatsnew/seimei-sentankenkyu/20240723 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>身体を構成する細胞は、その増殖を持続的に停止し、細胞老化に至ります。炎症性タンパク質を合成?分泌して全身の老化を促進しますが、そのメカニズムは明らかではありませんでした。</li>&#13; <li>ACLYはクエン酸からアセチルCoAを合成する酵素として、細胞代謝および遺伝子の働きを調節しますが、老化との関わりは知られていません。</li>&#13; <li>老化細胞においてACLYの量が増加すること、また、ACLYを阻害すると炎症性タンパク質の遺伝子の働きとヒストンのアセチル化が低下して、炎症反応が抑制されることが分かりました。</li>&#13; <li>ACLYおよびアセチル化ヒストン結合タンパク質BRD4の経路で、老化細胞による炎症反応が促進されることが明らかになり、この経路の阻害が加齢による慢性炎症の制御法(セノスタティクス)になると期待されます。</li>&#13; </ul>&#13; <ul>【概要説明】</ul>&#13; <p> 熊本大学発生医学研究所 細胞医学分野の衛藤 貫特任助教、中尾光善教授らは、網羅的な遺伝子解析を用いて、老化細胞による炎症反応を促進する酵素とその阻害効果を初めて発見しました。「ACLY<sup>※1</sup>」は細胞内でクエン酸からアセチルCoAを合成する代謝酵素で、細胞の活動と遺伝子の働きを調節することが知られています。今回、老化細胞<sup>※2</sup>においてACLYの量が増加すること、また、老化細胞でACLYを阻害すると炎症性タンパク質の遺伝子の働きが強く抑制されることが分かりました。ACLYによって合成されたアセチルCoAは炎症性タンパク質の遺伝子を活性化するエンハンサー領域<sup>※3</sup>のヒストンのアセチル化<sup>※4</sup>に使われ、さらにアセチル化ヒストンに結合するBRD4<sup>※5</sup>が働くことを明らかにしました。老齢マウスにACLYまたはBRD4に対する阻害薬剤を用いたところ、転写因子STAT1<sup>※6</sup>を介するインターフェロン経路が抑制されて、慢性炎症が抑制されることを見出しました。<br/>この成果では、老化細胞でACLYが炎症性タンパク質の合成?分泌を促進するメカニズムを明らかにしたことから、細胞老化による慢性炎症の制御法(セノスタティクス<sup>※7</sup>)の開発につながることが期待されます。<br/>本研究成果は、文部科学省科学研究費補助金、文部科学省共同利用?共同研究システム形成事業「学際領域展開ハブ形成プログラム」、熊本大学発生医学研究所の高深度オミクス医学研究拠点ネットワーク形成事業、株式会社村上農園研究経費の支援を受けて、科学雑誌「セル?リポート(Cell Reports)」オンライン版に米国(ET)時間の令和6年7月22日11:00【日本時間の7月23日(火)0:00】に掲載されました。</p>&#13; <p/>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>※1:ACLY:細胞内でクエン酸からアセチルCoAを合成する代謝酵素で、細胞代謝と遺伝子の働きを調節する。<br/>※2:老化細胞:増殖を持続的に停止した状態の細胞を老化細胞という。体内に蓄積して活発な活動を行うため、細胞死とは異なる。<br/>※3:エンハンサー:ゲノム上の遺伝子の働きを促進するDNA配列。特定の転写因子(DNA結合タンパク質)が結合する。<br/>※4:ヒストンのアセチル化:アセチルCoAを用いてアセチル基転移酵素がヒストンタンパク質を修飾する。近傍の遺伝子の働きを活性化する。<br/>※5:BRD4:アセチル化されたヒストンに結合するタンパク質で、遺伝子の働きを活性化する。<br/>※6:STAT1:細胞がインターフェロンなどの炎症性タンパク質に暴露された場合に働く転写因子。<br/>※7:セノスタティクス:老化細胞は保持して炎症反応を選択的に制御する方法。近年、薬剤によるセノリティクス(老化細胞除去)が注目されるが、老化細胞を除去すると組織の線維化が生じるという報告がある。セノ(老化)+リティクス(分解)、スタティクス(静力学)の造語。<br/><br/>【論文情報】</p>&#13; <ul>&#13; <li>論文名<br/>Citrate metabolism controls the senescent microenvironment via the remodeling of pro-inflammatory enhancers<br/>(クエン酸代謝が炎症性タンパク質遺伝子のエンハンサーを促進して、老化細胞の微小環境を制御する)</li>&#13; <li>著者名(*責任著者)<br/>Kan Etoh, Hirotaka Araki, Tomoaki Koga, Yuko Hino, Kanji Kuribayashi, Shinjiro Hino, and Mitsuyoshi Nakao*</li>&#13; <li>掲載雑誌<br/>Cell Reports</li>&#13; <li>DOI:<a href="https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2211124724008258?via%3Dihub">https://doi.org/10.1016/j.celrep.2024.114496</a></li>&#13; </ul>&#13; <p/>&#13; <p>【お問い合わせについて】</p>&#13; <p>この研究成果につきましては、熊本大学発生医学研究所細胞医学分野にお問い合わせください。<br/>ご説明する機会を予定させていただきます。</p>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240719web.pdf">プレスリリース</a>(PDF538KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p>?</p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" width="142" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" height="134" class="image-inline"/>??</p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学発生医学研究所 細胞医学分野<br/>担当:教授 ? 中尾 光善(なかお みつよし)</p>&#13; <p>  ??? 特任助教? 衛藤 貫(えとう かん)<br/>電話:096-373-6804<br/>E-mail:mnakao※gpo.kumamoto-u.ac.jp<br/> (※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/07/23 00:00:00 GMT+9 ページ 1種の植物に寄生する4種のアブラムシが作る“虫こぶ”の進化を遺伝子発現のレベルから明らかに_足彩胜负彩 /whatsnew/sizen/20240717 <![CDATA[<p style="text-align: justify;"><span/>【ポイント】</p>&#13; <p style="text-align: justify;"> 一部の昆虫では、寄生した植物の遺伝子の発現を操作することで、葉や芽などに“虫こぶ”を作ることが知られています。弘前大学大学院農学生命科学研究科の水木まゆさん(研究当時修士2年)、山尾僚准教授(現在京都大学 生態学研究センター教授)、笹部美知子准教授、池田紘士准教授(現在東京大学 大学院農学生命科学研究科 准教授)、金子洋平専門研究員(福岡県保健環境研究所)、雪江祥貴館長(津黒いきものふれあいの里)、陶山佳久教授(東北大学)、廣田峻特任助教(大阪公立大学)、澤進一郎教授(熊本大学)、久保稔特任准教授(奈良先端科学技術大学院大学)は、マンサクという植物と、この植物に虫こぶを作る近縁な4種のアブラムシが、マンサクの地理的な分布変遷に影響を強く受けながら種分化してきたことを明らかにしました。また、この種分化の過程で虫こぶの防御物質の量が増加し、形態が複雑化する方向に進化してきたことを、遺伝子発現のレベルと、防御物質や形態といった表現型レベルの双方の視点から明らかにしました。この研究成果は、日本時間2024年7月18日に、「Molecular Ecology」誌に掲載されます。</p>&#13; <p>【本研究の内容】</p>&#13; <p> まず日本全国で虫こぶを採集しました。そして、虫こぶの植物組織と虫こぶ内部のアブラムシの遺伝子解析を行って、マンサクとアブラムシのそれぞれの系統樹を作成して比較しました。その結果、地理的な分化のパターンが両者の間でよく一致しており、マンサクの地域ごとの地理的な隔離がアブラムシの地理的な隔離をもたらし、アブラムシの種分化や種内の地理的な分化を促進してきたことがわかりました。</p>&#13; <p> 次に、虫こぶはどのような遺伝子が多く発現しているかを調べたところ、防御物質として知られるフェノールの生合成に関連する遺伝子の発現量が、ハフクロよりもイガ、サンゴ、イボの虫こぶで多いことが分かりました。そして、実際のフェノール濃度を測定したところ、葉よりも虫こぶで濃度が高く、また虫こぶの中でもイガ、サンゴ、イボの虫こぶで濃度が高いという結果が得られ、遺伝子の発現量と対応していました。さらに、虫こぶの形態形成に関連する遺伝子の発現量が、ハフクロとイガに比べ、より複雑な形態であるサンゴとイボの虫こぶで多いことがわかり、これも実際の表現型との対応がみられました。</p>&#13; <p> これらのことから、フェノールの生合成に関連する遺伝子や虫こぶの形態形成に関連する遺伝子の発現量が多くなるという進化が生じてきたことで、フェノール量の増加や、虫こぶにおける形態の複雑化につながってきたと考えられます。これまでの野外観察からは、齧歯類にかじられたと考えられる虫こぶが複数見つかっており、フェノール量の増加や形態の複雑化は、齧歯類からの捕食圧に対して進化してきたのではないかと考えられます。</p>&#13; <p>【本研究の意義】</p>&#13; <p> 本研究により、遺伝子発現のレベルと実際の表現型のレベルの双方の視点から、虫こぶの進化過程を明らかにすることができました。このアブラムシの進化は、マンサクの地理的な分布変遷の影響を強く受けながら、長い時間スケールで形成されてきたと考えられます。虫こぶは、植物の遺伝子発現を操作しているという興味深い点から、近年注目が高まっていますが、室内実験系での研究はされているものの、野外でこのように広い地理的なスケールで進化に迫るような研究例はなく、本研究により、新たなモデルケースを示すことができました。</p>&#13; <p> 公園の生け垣、街路樹、草本植物などを観察してみると、実際には多くの植物に虫こぶが形成されています。本研究は、この特殊な寄生様式を示す虫こぶ形成昆虫にみられる、巧みな戦略の進化過程の一端を、明らかにすることができたと考えられます。</p>&#13; <p><br/>【論文情報】<br/>論文タイトル:Evolution of secondary metabolites, morphological structures and associated gene expression patterns in galls induced by four closely related aphid species on a host plant species<br/>著者:Mayu MIZUKI, Yohei KANEKO, Yoshitaka YUKIE, Yoshihisa SUYAMA, Shun K. HIROTA, Shinichiro SAWA, Minoru KUBO, Akira YAMAWO, Michiko SASABE, Hiroshi IKEDA<br/>掲載紙:Molecular Ecology<br/>DOI:10.1111/mec.17466</p>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240717.pdf">プレスリリース</a>(PDF1292KB)</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/>????  <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/3f32ead3-7b39-4f7e-aaef-d50890a1bf4a.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" width="133" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" height="127" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong> お問い合わせ </strong> <br/>熊本大学 総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3271<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/07/18 18:30:00 GMT+9 ページ 西日本周辺海域で発生する線状降水帯の支配的メカニズムを提唱 ~ 令和3年8月豪雨 (戻り梅雨)の水蒸気起源解析から紐解く~_足彩胜负彩 /whatsnew/sizen/20240712 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>令和3年8月豪雨(以下「 九州 豪雨 」)では 、令和2年7月豪雨と同様に東シナ海から九州地方へ延びる線状降水帯が発生して深刻な災害をもたらしました。しかし、なぜ線状降水帯が海で形成されるのか、そのメカニズムは依然として十分に解明されていません。</li>&#13; <li>本研究では、 水の同位体分別の過程を組み込んだ領域気象モデルによる数値シミュレーションから、線状降水帯で凝結する 多量の水蒸気の流入過程を 紐解くことで、線状降水帯の発生をトリガーする支配的な力学プロセスを提唱しました。</li>&#13; <li>特に梅雨前線帯を東進する低気圧(以下「梅雨前線 低気圧」)の発達、その低気圧の詳細な構造の予測精度がないと 、 線状降水帯の発生予測の精度向上も困難であることが示唆されました。【概要】<br/><span/></li>&#13; </ul>&#13; <p> 西日本(特に九州地方では毎年のように 線状 降水帯の発生と持続によって甚大な豪雨災害が生じています。 線状降水帯は海上から内陸に伸びる事例が多々ありますが、なぜ山岳などの地形がない海上で線状降水帯が局在化して発生するのか、その メカニズム は依然として 十分に 解明されてい ません。 本研究で、九州大学大学院理学研究院の川村隆一教授、 理学府修士課程 2年の西村はるか大学院生 (研究当時) 、 熊本大学大学院先端科学研究部の一柳 錦平准教授、 東京大学 生産技術研究所の芳村圭教授らの研究グループは、 同位体領域気象モデル を用いた高解像度 数値シミュレーションによって、九州豪雨の要因となった状降水帯の再現実験を行い 、水蒸気起源の情報から線状降水帯の発生をトリガーする支配的な力学プロセスを提唱しました。</p>&#13; <p> 梅雨前線低気圧に捕捉されて流入したアジアモンスーン起源の水蒸気と太平洋高気圧の西縁に沿って流入した水蒸気 太平洋高気圧起源)が重なり合って非常に背の高い湿潤層が形成され、そこで線状降水帯が発生していることがわかりました 。 なぜ2つの水蒸気起源がマージする領域で線状降水帯が発生するのかについては、大気境界層 (※ 過程が重要な鍵となりました。具体的には、太平洋高気圧起源の水蒸気の流入に伴い自由対流高度 (※ が 1.5kmより低い領域が北へ拡張する一方、梅雨前線低気圧の南側で水平気圧勾配が急激に緩むためエクマン収束 (※ による上昇流が誘起されます。両者が重なる領域では容易に積雲対流が生じることになります。この力学プロセスが梅雨前線の南方海上で局在化した線状降水帯の発生をトリガーしていることが明らかになりました。</p>&#13; <p> これらの知見は豪雨被害を軽減するための線状降水帯の 発生 予測の精度向上に資することが期待され 、特に梅雨前線低気 圧の発達や、その詳細な空間構造の精度の高い予測が求められていくことを示唆してい ます 。</p>&#13; <p> 本研究成果は、 2024年 6月 23日 (日 )に国際学術誌「 Atmospheric Research」にオンライン掲載(早期公開)されました。<br/>??? また本研究は JSPS科研費補助金( JP19H05696, JP20H00289, JP24H00369)の助成を受けました。</p>&#13; <p/>&#13; <p>【今後の展開】<br/> 今回注目した事例は九州豪雨でしたが、本研究の結果から、西日本の四国地方や近畿、東海地方の近海でも同様なメカニズムで線状降水帯が発生している可能性が高いと考えられます。線状降水帯による降水量の予測精度の向上のためには、降水帯に流入するアジアモンスーン起源と太平洋高気圧起源の水蒸気の正確な把握が必要になるのはもちろんのこと、水平気圧勾配を強める梅雨前線低気圧と太平洋高気圧の動向も大変重要です。特に梅雨前線低気圧の発達や、その詳細な空間構造の精度の高い予測が求められます。<br/> また、前述したように豪雨をもたらす線状降水帯の特徴には著しい多様性があります。たとえば、平成29年九州北部豪雨は内陸部で線状降水帯が発生し福岡県朝倉市中心に甚大な被害をもたらしましたが、先行研究と比較すると、本研究で示した降水帯の形成メカニズムとは明らかに異なっています。豪雨災害の軽減のために線状降水帯の普遍的な理解をさらに進めていきたいと考えています。</p>&#13; <p><br/>【論文情報】<br/>掲載誌:Atmospheric Research<br/>タイトル: A triggering mechanism of quasi-stationary convective bands in the vicinity of southwestern Japan during the summer season as deduced from moisture origins<br/>著者名: Haruka Nishimura, Ryuichi Kawamura, Xiaoyang Li, Tetsuya Kawano, Takashi Mochizuki, Kimpei Ichiyanagi, Kei Yoshimura<br/>DOI:<a href="https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0169809524003260">10.1016/j.atmosres.2024.107544</a></p>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240712-1.pdf">プレスリリース</a>(PDF1292KB)</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/>????  <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_13_ja_2.png/@@images/5d815b80-6204-4e71-9367-e03371d28ab1.png" title="sdg_icon_13_ja_2.png" width="133" alt="sdg_icon_13_ja_2.png" height="127" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong> お問い合わせ </strong> <br/>熊本大学 総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3271<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/07/12 14:00:00 GMT+9 ページ マグネシウム合金に革命! 材料の原子配列を操り驚異的な強度で世界を変える_足彩胜负彩 /whatsnew/sizen/20240710 <![CDATA[<p style="text-align: justify;"><span/>【概要説明】</p>&#13; <p> 熊本大学の先進マグネシウム国際研究センターは、「キンク強化」という新規な材料強化法で高強度が発現する「ミルフィーユ構造」という軟質層?硬質層が重なったナノ層状構造を持ち、しかも難燃性も併せ持つ高強度マグネシウム合金を開発しました。開発したマグネシウム合金は、降伏強さ418 MPaという、従来の汎用高強度マグネシウム合金に比べて1.7倍以上の高い降伏強さを持っています。ロケットや航空機、ドローン、自動車などの輸送機器の構造材料への適用を進めることで、軽量化による燃費やエネルギー効率の向上ならびに温室効果ガス排出量の削減が期待でき、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。</p>&#13; <p>?【今後の展望】</p>&#13; <p>?学術研究</p>&#13; <p> 硬質層(CAL)の間隔をさらに広げたミルフィーユ型マグネシウム合金を作製して、キンク強化する硬質層(CAL)の臨界間隔を明らかにして行きます。また、硬質層(CAL)の間隔とキンク発生頻度とキンク強化量の相関関係を解明して、キンク強化メカニズムを明らかにして行きます。さらに、理論?計算科学グループと連携して力学実験と組織観察を進めることによってキンク強化理論の確立を行い、熊本大学発の新しい学術領域の発展を図って行きます。</p>&#13; <p>?応用研究</p>&#13; <p> ロケットや航空機、ドローン、自動車などの輸送機器の構造部材および携帯電子情報機器の構造部材など軽量化が望まれている幅広い分野での社会実装化を目指して、大型素材製造技術と応用製品の開発を産業界と連携しながら進めていきます。特に、熊本大学発ベンチャーである㈱MG Port<sup>※13</sup>と協力して社会実装化を進めていきます。</p>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240709-3.pdf">プレスリリース</a>(PDF603KB)</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/>????  <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_09_ja_2.png/@@images/18ac5cdf-a729-4a68-b05f-2defc6e8fbe3.png" title="sdg_icon_09_ja_2.png" width="133" alt="sdg_icon_09_ja_2.png" height="127" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong> お問い合わせ </strong> <br/>熊本大学 総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3271<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/07/10 13:20:00 GMT+9 ページ 発汗に重要なイオンチャネルを明らかに~発汗制御薬の開発に新たな知見~_足彩胜负彩 /whatsnew/seimei/20240709 <![CDATA[<p/>&#13; <p>? 発汗のメカニズムは十分には明らかにされておらず、発汗不全や発汗過多に対する治療法も少ないのが現状です。自然科学研究機構 生理学研究所/生命創成探究センターの富永真琴前教授(現:名古屋市立大学 なごや先端研究開発センター特任教授)はこれまで、温度感受性TRPV4チャネルがアノクタミン1と機能連関して水分泌を伴う外分泌(脳脊髄液分泌、唾液分泌、涙分泌)に関与することを報告してきました。今回、富永前教授と加塩麻紀子前特任准教授(現:熊本大学大学院生命科学研究部准教授)は、佐賀大学医学部の城戸瑞穂教授、飯田市立病院病理診断科の佐野健司部長(元:信州大学医学部講師)との共同研究で、温度感受性TRPV4イオンチャネルとアノクタミン1の機能連関がマウスにおける発汗にも関与することを明らかにしました。また、ヒトの難病である特発性後天性全身性無汗症患者の汗腺において、TRPV4イオンチャネルの発現が低下していることも判明しました。これは発汗制御薬の開発に貢献する発見です。本研究結果は、eLife誌に掲載(2024年7月4日公開)されました。</p>&#13; <p/>&#13; <p><br/><em><br/></em></p>&#13; <p>【今回の発見】</p>&#13; <p>1.マウス足底の汗腺の分泌細胞にTRPV4チャネルとアノクタミン1が共発現していることが分かりました。<br/>2.正常なマウス足底では室温が上がると発汗量が増大しましたが、TRPV4欠損マウスでは発汗量は低いままでした。<br/>3.TRPV4欠損マウスは、正常なマウスと比較して、ツルツルの斜面を登るときの成功率が低いことが分かりました。<br/>4.ヒトの難病である特発性後天性全身性無汗症の汗腺では、TRPV4蛋白質の発現が低いことが分かりました。</p>&#13; <p><br/><em><br/></em></p>&#13; <p>【この研究の社会的意義】<br/> 今回の研究から、脳からの指令だけではなく、局所の汗腺でも温度を感じて発汗を促していることが分かりました。発汗のメカニズムが明らかになったことで、新たな発汗制御薬の開発につながるものと期待されます。</p>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p><br/><em><br/></em></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <ul>&#13; <li>Author: Makiko Kashio, Sandra Derouiche, Reiko U. Yoshimoto, Kenji Sano, Jing Lei, Mizuho A. Kido and Makoto Tominaga.</li>&#13; <li>Title: Involvement of TRPV4 in temperature-dependent perspiration in mice.</li>&#13; <li>Journal: eLife(2024年7月4日公開)</li>&#13; <li>DOI: <a href="https://doi.org/10.7554/eLife.92993.3">https://doi.org/10.7554/eLife.92993.3</a><br/><br/></li>&#13; </ul>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】<a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240709.pdf">プレスリリース</a>(PDF589KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p><広報に関すること></p>&#13; <p>熊本大学総務部総務課広報戦略室<br/>TEL:096-342-3269<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/07/09 11:00:00 GMT+9 ページ トランスファーRNAを修飾する酵素が脳機能を支えるしくみを解明? RNA修飾の欠失による脳の病気の一般原理の理解へ ?_足彩胜负彩 /whatsnew/seimei/20240701 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>トランスファーRNA<sup>※1</sup>のメチル化<sup>※2</sup>酵素「TRMT10A」を失うと、特定のトランスファーRNA量が全身で減ることを解明しました。</li>&#13; <li>TRMT10Aを失うと脳で神経関連タンパク質の合成が乱れ、シナプスの構造と機能が異常をきたすことで脳組織の機能が低下することを解明しました。</li>&#13; <li>トランスファーRNAの修飾<sup>※3</sup>を失うことで発症する知的障害やてんかんをはじめとした「RNA修飾病」の一般原理を解明する研究とその応用による今後の脳の病気の治療への波及が期待されます。<br/><br/><br/><em/></li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】</p>&#13; <p> 熊本大学大学院生命科学研究部の富澤一仁教授、中條岳志講師、ローランド?トレスキー大学院生(当時)の研究チームは、トランスファーRNA(tRNA)を修飾する酵素の一種であるTRMT10Aの変異により知的障害が発症するしくみを解明しました。様々なtRNA修飾酵素の欠失が知的障害を引き起こしますが、これまで発症の詳細なしくみは大部分が未解明であったため、今後の知的障害の治療の進展につながる可能性があります。<br/> 本研究成果は、日本時間2024年7月2日(火)9:01に英国科学雑誌「Nucleic Acids Research」に掲載されました。本研究は、科学技術振興機構(JST)創発的研究支援事業「RNA修飾編集技術の創発とその治療への応用」(課題番号:JPMJFR204Z、研究代表者:中條岳志)および日本学術振興会科学研究費助成事業(課題番号:20H03187、研究代表者:中條岳志)などの支援を受けて行われました。</p>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p>【今後の展開】<br/> tRNAの修飾を担う様々なタンパク質のうち約30種類について、そのうち1つでも失うと脳?神経疾患が引き起こされることが知られますが、発症の詳細なしくみはほとんどわかっていませんでした。研究グループは、以前に他のtRNAメチル化酵素(FTSJ1<sup>※4</sup>)についてその欠損が知的障害を引き起こすしくみを解明しました(永芳、中條、富澤ら.2021)。TRMT10A欠損マウスとFTSJ1欠損マウスを比べると、両者で共通して、(1)特定のtRNA量の減少およびそのtRNAによる遺伝暗号の翻訳低下、(2)シナプスの構造と機能の異常、(3)脳組織の機能低下と他組織の機能維持が見られました。一方、TRMT10A欠損マウスとFTSJ1欠損マウスで異なる点として、FTSJ1欠損マウスでは脳だけで特定のtRNAが減少するのに対して、TRMT10A欠損マウスでは全身でtRNAが減少しました。今回の研究成果から、全身でtRNA量が減った際にも他の組織と比べて特に脳組織の機能が低下しやすいことが明確に示されました。今後は、修飾を失っても脳のtRNA量の減少を抑えれば脳組織の機能低下を抑えられるのかを検証することで、将来的に、tRNA修飾の欠失で発症する知的障害の治療につながる可能性が期待されます。</p>&#13; <p/>&#13; <p><br/>【用語説明】<br/>※1.トランスファーRNA(tRNA、運搬RNA):遺伝情報(核酸配列)と物質(アミノ酸)をつなぐアダプター分子で、RNAという物質で構成されている。tRNAは、タンパク質合成装置であるリボソームの中に入り、遺伝情報の解読と、合成途中のタンパク質へのアミノ酸の受け渡しを担う。<br/><br/>※2.メチル化:1個の炭素と3個の水素から構成されるメチル基を付与する化学反応。細胞内では酵素がtRNAをメチル化する。<br/><br/>※3.修飾:RNAを構成する塩基や糖に付加された化学構造。メチル化や硫黄化、アミノ酸付加など様々な種類の修飾がある。修飾は一つまたは複数の酵素により入れられる。<br/><br/>※4 .FTSJ1: tRNA の32 塩基目と34 塩基目をメチル化する酵素。FTSJ1 の修飾<br/>機能が失われるとヒトで知的障害が発症する。<br/><em><br/></em></p>&#13; <p/>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <ul>&#13; <li><strong/>論文名:TRMT10A dysfunction perturbs codon translation of initiator methionine and glutamine and impairs brain functions in mice</li>&#13; <li>著者:ローランド トレスキー1、宮本雄太1、永芳友1、矢吹悌2、荒木喜美3、高橋雪枝1、菰原義弘1、葛 慧聡1、西口栞世1、福田孝一1、金子瞳1、前田信子1、松浦任1、岩崎信太郎4、榊田光倫1、塩田倫史2、魏范研5、富澤一仁1、中條岳志1<br/>(1熊本大学大学院生命科学研究部(医学系)、2熊本大学発生医学研究所、3熊本大学生命資源研究?支援センター、4理化学研究所、5東北大学加齢医学研究所)</li>&#13; <li>掲載誌:Nucleic Acids Research(分子生物学の国際学術誌)</li>&#13; <li>doi : <a href="https://doi.org/10.1093/nar/gkae520">10.1093/nar/gkae520</a></li>&#13; <li>URL: <a href="https://doi.org/10.1093/nar/gkae520">https://doi.org/10.1093/nar/gkae520</a></li>&#13; </ul>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】<a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release20240701web.pdf">プレスリリース</a>(PDF530KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p><研究に関すること></p>&#13; <p>熊本大学 大学院生命科学研究部<br/>担当:講師 中條岳志<br/>TEL:096-373-5051<br/>E-mail:tchujo※kumamoto-u.ac.jp<br/><br/></p>&#13; <p><報道に関すること></p>&#13; <p>熊本大学総務部総務課広報戦略室<br/>TEL:096-342-3269<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/07/02 09:05:00 GMT+9 ページ くまもと水循環?減災研究教育センターが気象庁長官表彰を受賞_足彩胜负彩 /whatsnew/sizen/20240619 <![CDATA[<p>くまもと水循環?減災研究教育センターが気象庁長官表彰(一般功績)を受賞し、<span>6</span>月<span>3</span>日に気象庁にて開催された第<span>149</span>回「気象記念日」式典において表彰されました。</p>&#13; <p>減災型の地域社会の実現を目指し、人材育成や普及啓発を通じて、熊本県内の地域防災力向上に寄与した功績が評価されました。</p>&#13; <p><img src="/whatsnew/sizen/sizeninfo_file/20240618.jpg/@@images/89f16430-27e6-48d8-bf55-ee760db8e5fe.jpeg" title="20240618 .jpg" height="347" width="524" alt="20240618 .jpg" class="image-inline"/></p>&#13; <p><関連サイト><br/><a href="https://www.jma.go.jp/jma/press/2405/24a/149th_anniv.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">第149回「気象記念日」について</a>(国土交通省気象庁 ウェブページ)<br/><a href="https://www.jma.go.jp/jma/press/2405/24a/149th_anniv_annex1.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">第149回「気象記念日」気象庁表彰受賞者名簿</a>(<span>国土交通省気象庁 ウェブページ</span>)</p>&#13; <p/>&#13; <address><strong>お問い合わせ </strong> <br/> 熊本大学くまもと水循環?減災研究教育センター 減災型社会システム部門<br/>Tel :096-342-3489<br/>Mail:gensai2※kumamoto-u.ac.jp<br/>? ? ? ? ? ?(※を@に置き換えてください)</address>]]> No publisher 研究 その他 2024/06/19 09:25:00 GMT+9 ページ ストレス暴露後のクロマチン制御による造血幹細胞機能と造血の回復_足彩胜负彩 /whatsnew/seimei-sentankenkyu/20240618 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>クロマチン<sup>(*)</sup>制御因子であるHmga2が、造血幹細胞のストレス応答を制御して、造血の回復を促す仕組みを明らかにしました。</li>&#13; <li>ヒトの重症感染症やがん治療後の造血不全に対して、速やかな造血を回復する治療法開発が期待されます。<br/><br/></li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】</p>&#13; <p> 熊本大学国際先端医学研究機構の指田吾郎特別招聘教授らは、クロマチンを制御する因子の一つであるHmga2が、造血幹細胞のストレス応答を制御して、造血の回復を促す仕組みを明らかにしました。<br/> 人が感染症や抗がん剤などの薬剤に暴露されると、早い時期に赤血球や血小板といった血液細胞は減少します。こうしたストレスによる造血障害からの回復には、骨髄にいる造血幹細胞が欠かせません。一般的に、ストレスに暴露されると、造血幹細胞は増殖するだけでなく、分化して血液細胞の産生を進めますが、その機序は完全に明らかにはなっていません。<br/> 今回、クロマチン制御因子であるHmga2の高発現を誘導できるマウスと、Hmga2の遺伝子を欠損できるマウスを作製して、ストレスのない定常状態と、抗がん剤や炎症性サイトカインに暴露されたストレス状況での造血幹細胞におけるHmga2の作用機序を解析しました。その結果、Hmga2は、抗がん剤投与などのストレス状況では、造血幹細胞や造血の回復を速やかに進めることがわかり、その仕組みも解明しました。<br/> 今回の遺伝子改変マウス解析でわかった造血幹細胞のHmga2によるストレス応答機序を応用することで、ヒトの重症感染症やがん治療後の造血不全に対して、速やかに造血を回復する治療法開発が期待されます。<br/> 本研究成果は2024年5月29日に欧州の学術雑誌「EMBO J」に掲載されました。また、本研究は、文部科学省科学研究費助成事業などの支援を受けて実施したものです。<br/><br/><br/></p>&#13; <p>【展開】</p>&#13; <p> 今回遺伝子改変マウスでわかった造血幹細胞のHmga2によるストレス応答機序を応用することで、ヒトの重症感染症やがん治療後の造血不全状態に対して、速やかに造血を回復する治療法開発が期待されます。</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>*クロマチン:DNAとヒストンタンパクの複合体<br/><br/><br/></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <p>論文名:Chromatin modifier Hmga2 promotes adult hematopoietic stem cell function and blood regeneration in stress conditions.<br/>著者:Sho Kubota, Yuqi Sun, Mariko Morii, Jie Bai, Takako Ideue, Mayumi Hirayama, Supannika Sorin, Eerdunduleng, Takako Yokomizo-Nakano, Motomi Osato, Ai Hamashima, Mihoko Iimori, Kimi Araki, Terumasa Umemoto, Goro Sashida<br/>掲載誌:The EMBO J<br/>doi:<a href="https://www.embopress.org/doi/full/10.1038/s44318-024-00122-4">10.1038/s44318-024-00122-4</a><br/>URL:<a href="https://www.embopress.org/doi/full/10.1038/s44318-024-00122-4">https://www.embopress.org/doi/full/10.1038/s44318-024-00122-4</a></p>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240618-2.pdf">プレスリリース</a>(PDF167KB)</p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学国際先端医学研究機構(IRCMS)<br/>担当 渡辺<br/>電話:096-373-6847<br/>E-mail:ircms※jimu.kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/06/18 13:06:38.227343 GMT+9 ページ 業界初、産学官連携でワイヤー?レーザー金属3Dプリンターによる マグネシウム合金の高精度な積層造形技術を確立_足彩胜负彩 /whatsnew/sizen/20240613 <![CDATA[<p style="text-align: justify;"><span/>【概要説明】</p>&#13; <p> 三菱電機株式会社(東京都千代田区、以下、三菱電機)、国立大学法人熊本大学先進マグネシウム国際研究センター(熊本県熊本市、以下、熊本大学<span>MRC</span>)、東邦金属株式会社(大阪府大阪市、以下、東邦金属)、宇宙航空研究開発機構(東京都調布市、以下、<span>JAXA</span>)は、金属3Dプリンター業界で初めて<sup>※</sup><sup>1</sup>、ワイヤー?レーザーDED方式<sup>※</sup><sup>2</sup>によるマグネシウム合金の高精度な積層造形技術を確立しました。鉄やアルミニウムよりも軽量で高強度なマグネシウム合金を、より複雑で自由な形状に加工できることから、ロケットや自動車、航空機など各種産業製品の部品材料への適用を進めることで、軽量化による燃費向上とロケットのコスト削減が期待できます。また、従来の加工方法と比べてエネルギー効率の向上や温室効果ガス排出量の削減が期待でき、カーボンニュートラルの実現に貢献します。</p>&#13; <p> 4者は、ロケットの軽量化による抜本的な低コスト化に向けて、JAXAの「革新的将来宇宙輸送システム研究開発プログラム」<sup>※</sup><sup>3</sup>の枠組みのもと、2022年9月から「マグネシウム合金ワイヤーを材料に用いたレーザーワイヤーDED方式AM造形技術の研究」<sup>※</sup><sup>4</sup>(以下、本共同研究)を進めてきました。近年、自動車のEV化の進展や民間航空機の需要拡大などに伴い、ロケット以外の各種産業分野においても軽量化のニーズが高まっており、マグネシウム合金が注目されています。一方で、マグネシウム合金はダイカスト法<sup>※</sup><sup>5</sup>と呼ばれる鋳造での加工が一般的であるため、内部に空洞を持つような造形が不可能という課題がありました。また、複雑な形状を高精度に加工できる金属3Dプリンターでは、金属の粉末を熱で溶融させて積層造形するPBF方式<sup>※</sup><sup>6</sup>が主流ですが、燃焼しやすいマグネシウム合金を粉末材料として用いた場合、酸化による劣化や粉塵爆発を引き起こす可能性があり、安全に運用できないことが課題でした。<span><br/> </span></p>&#13; <p> これらの課題を解決するために、金属粉末ではなく、金属ワイヤーを材料として使用するワイヤー?レーザーDED方式を採用した三菱電機の金属3Dプリンターと、熊本大学<span>MRC</span>が開発した高い不燃性を有する「<em>KUMADAI</em>耐熱マグネシウム合金」<sup>※</sup><sup>7</sup>を組み合わせることに着目しました。高い伸線加工技術を有する東邦金属により製造された<em>KUMADAI</em>耐熱マグネシウム合金製ワイヤーを用いて三菱電機が試験造形を繰り返すことで、マグネシウム合金粉末よりも取り扱いが容易なマグネシウム合金ワイヤーを、精密な温度制御により燃焼させずに積層造形する技術を確立しました。</p>&#13; <p> また、本技術による積層造形物について、ロケット用材料としての性能評価をJAXAにて行った結果、ロケットの部位によっては従来のアルミ合金構造と比較して最大で約20%の軽量化効果が得られる可能性が試算されました。</p>&#13; <p> 本開発成果は、宇宙輸送に限らず、軽量化が要求される各種輸送機器やロボット部材等にも幅広く利用可能であることから、各種産業分野への波及および実用化に向けた研究開発を進めていきます。また、三菱電機では2029年を目途にワイヤー?レーザーDED方式金属3Dプリンターとして製品化を目指します。</p>&#13; <p>?【共同研究の目的】</p>&#13; <p>本共同研究は、推進薬タンク等の大型構造の軽量化によるロケット構造の抜本的低コスト化の実現に向けて、既存の合金ワイヤーよりも強度特性に優れた新たな金属積層造形向け合金ワイヤー材を実用化することを目的としています。</p>&#13; <p>金属積層造形に適した高強度ワイヤーは、宇宙輸送に限らず、軽量化が要求される各種輸送機器やロボット部材等、他の地上用の構造物全般にも適用が可能です。</p>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240613.pdf">プレスリリース</a>(PDF603KB)</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/>????  <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_09_ja_2.png/@@images/18ac5cdf-a729-4a68-b05f-2defc6e8fbe3.png" title="sdg_icon_09_ja_2.png" width="133" alt="sdg_icon_09_ja_2.png" height="127" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong> お問い合わせ </strong> <br/>熊本大学 総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3271<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/06/13 11:15:00 GMT+9 ページ 巨大な圧電応答を示す材料の開発に成功 ~高密度エネルギーハーベステング材料として期待~_足彩胜负彩 /whatsnew/sizen/20240612 <![CDATA[<p style="text-align: justify;"><span>【ポイント】</span></p>&#13; <ul>&#13; <li>本研究では、CaとZrを共ドープしたチタン酸バリウムのナノポーラス薄膜において、巨大な圧電応答を観測しました。</li>&#13; <li>今回対象としたナノポーラスBa<sub>85</sub>Ca<sub>0.15</sub>(Ti<sub>0.9</sub>Zr<sub>0.1</sub>)O<sub>3</sub>薄膜では、圧電特性を示す圧電歪定数<em>d</em><sub>33</sub>が約7500 pm V<sup>-1</sup>を示し、従来の代表的な鉛系圧電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(lead zirconate titanate (PZT))セラミックスより一桁以上大きな値を示しました。</li>&#13; <li>本成果は、化石燃料に代わる再生可能エネルギーとして、高密度エネルギーハーベスティングへの新たな道を開くものであることが大きく期待されます。</li>&#13; </ul>&#13; <p style="text-align: justify;">【概要説明】</p>&#13; <p> 熊本大学大学院先端科学研究部の寺澤有果菜助教と名古屋大学大学院工学研究科の山内悠輔卓越教授、The University of QueenslandのMd. Shahriar A. Hossain准教授の研究グループは、ナノポーラスBa0.85Ca0.15(Ti0.9Zr0.1)O3薄膜の合成に成功し、巨大な圧電応答の発現を観測しました。<br/> 本研究成果は、英国王立化学会(Royal Society of Chemistry)の発行するChemical Science誌に2024年5月20日に掲載されました。<br/> 本研究は、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 総括実施型(ERATO) JST-ERATO 物質空間テクトニクス、熊本大学共同研究支援事業の支援を受けて行われました。</p>&#13; <p>?【今後の展開】</p>&#13; <p> 機能性材料を開発するうえで構造制御は非常に重要です。構造制御には多 様な手法があり、本研究はナノレベルでの構造制御により圧電特性を向上 し、従来の代表的な圧電体である鉛系PZTセラミックスを凌駕する材料の開 発に成功しました。近年、熱や振動など密度の低い多様なエネルギーを効率 よく収集して電気エネルギーに変換する「高密度エネルギーハーベスティン グ」が注目されています。本成果は、化石燃料に代わる再生可能エネルギー として、高密度エネルギーハーベスティングに大きく貢献することが期待さ れます。</p>&#13; <p><br/>【論文情報】</p>&#13; <p>論文名:Giant Piezoresponse in Nanoporous (Ba,Ca)(Ti,Zr)O<sub>3</sub> Thin Film</p>&#13; <p>著者:Motasim Billah, Yukana Terasawa*, Mostafa Kamal Masud, Toru Asahi, Mohamed Barakat Zakaria Hegazy, Takahiro Nagata, Toyohiro Chikyow, Fumihiko Uesugi, Md. Shahriar A. Hossain* and Yusuke Yamauchi*</p>&#13; <p>掲載誌:<em>Chemical Science</em></p>&#13; <p>doi:10.1039/d3sc06712b</p>&#13; <p>URL:https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2024/sc/d3sc06712b</p>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240612-2.pdf">プレスリリース</a>(PDF603KB)</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/>????  <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_07_ja_2.png/@@images/aaab6e72-31b0-4f6e-aeb0-281c879eca6e.png" title="sdg_icon_07_ja_2.png" width="133" alt="sdg_icon_07_ja_2.png" height="127" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong> お問い合わせ </strong> <br/>熊本大学 総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3271<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/06/12 14:35:00 GMT+9 ページ SARS-CoV-2関連コロナウイルスBANAL-20-236株のウイルス学的特性の解析_足彩胜负彩 /whatsnew/seimei-sentankenkyu/20240606 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>足彩胜负彩(<span>SARS-CoV-2</span>)に近縁なコロナウイルスである<span>BANAL-20-236</span>株(<span>B236</span>株)は、東南アジアにてコウモリから分離されたウイルスである。</li>&#13; <li>本研究は、<span>B236</span>株の培養細胞やヒトオルガノイドにおける感染性、ハムスターにおける病原性を<span>SARS-CoV-2</span>やその変異体と比較しつつ、明らかにした。</li>&#13; <li>B236株は、<span>SARS-CoV-2</span>と比較して、ヒト気道上皮細胞では増殖能が低い一方で、ヒト大腸オルガノイドでは増殖能が高いという組織指向性があることが示された。</li>&#13; </ul>&#13; <p>【発表概要】</p>&#13; <p> 東京大学医科学研究所システムウイルス学分野の佐藤佳教授が主宰する研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan)」(注1)は、SARS-CoV-2に近縁なコウモリ由来のウイルスであるBANAL-20-236株(B236株)のウイルス学的特性を、ヒト気道上皮細胞や大腸オルガノイド、ハムスターモデル等を用いて解析しました。<br/>ヒト呼吸器細胞モデルや大腸オルガノイドでの細胞実験により、B236株はSARS-CoV-2と比較して、ヒト気道上皮細胞よりも大腸オルガノイドへの指向性を持つことが示されました。また、ハムスターモデルを用いた感染実験では、B236株はSARS-CoV-2に比べて病原性が低いことが示されました。<br/> 本研究成果は2024年6月4日、英国科学雑誌「eBioMedicine」オンライン版で公開されました。</p>&#13; <p/>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【発表者】</p>&#13; <p> 東京大学医科学研究所 感染?免疫部門 システムウイルス学分野<br/>佐藤 佳(教授)<br/>藤田 滋 (大学院生[日本学術振興会特別研究員])<br/>Arnon Plianchaisuk(特任研究員)<br/>瓜生 慧也(特任研究員)<br/>山岨 大智(客員研究員)<br/>郭 子毅(特任研究員)<br/>Alfredo Jr. Hinay(特任研究員)<br/>小杉 優介(大学院生[日本学術振興会特別研究員])<br/>陳 犖(大学院生)<br/>潘 琳(大学院生)<br/>郭 悠(特任助教)<br/>伊東 潤平(准教授)<br/><br/>研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan)」<br/><br/>北海道大学 大学院医学研究院<br/>田中 伸哉(教授)<br/>福原 崇介(教授、 一般社団法人G2P-Japan 理事)<br/>津田 真寿美(准教授)<br/>田村 友和(講師)<br/>鈴木 理滋(助教)<br/>鈴木 紗織(助教)<br/>小田 義崇(助教)<br/>伊藤 駿(大学院生)<br/><br/>北海道大学 人獣共通感染症国際共同研究所<br/>松野 啓太(准教授)<br/>紀田 泉(大学院生)<br/><br/>北海道大学 One Healthリサーチセンター<br/>直 亨則(特任講師)<br/><br/>京都大学 iPS細胞研究所(CiRA)<br/>高山 和雄(講師)<br/>出口 清香(特定助教)<br/>橋本 里菜(特定研究員)<br/>渡邉 幸夫(特定研究員)<br/><br/><strong>ヒトレトロウイルス学共同研究センター 熊本大学キャンパス</strong><br/><strong>池田 輝政(准教授)</strong><br/><strong>Hesham Nasser(特任助教)</strong></p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>(注1)研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan)」<br/>東京大学医科学研究所 システムウイルス学分野の佐藤佳教授が主宰する研究チーム。日本国内の複数の若手研究者?研究室が参画し、研究の加速化のために共同で研究を推進している。現在では、イギリスを中心とした諸外国の研究チーム?コンソーシアムとの国際連携も進めている。<br/><br/><br/><br/></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <p>〈雑誌〉eBiomMedicine<br/>〈題名〉Virological characteristics of a SARS-CoV-2-related bat coronavirus, BANAL-20-236<br/>〈著者〉藤田 滋#, Arnon Plianchaisuk#, 出口 清香#, 伊藤 駿#, 直 亨則#, 王 磊#, Hesham Nasser, 田村 友和, 木村 出海, 鹿島 幸恵, 鈴木 理滋, 鈴木 紗織, 紀田 泉, 津田 真寿美, 小田 義崇, 橋本 里菜, 渡邉 幸夫, 瓜生 慧也, 山岨 大智, 郭 子毅, Alfredo Jr. Hinay, 小杉 優介, 陳 犖, 潘 琳, 郭 悠, Hin Chu, Flora Donati, Sarah Temmam, Marc Eloit, 山本 祐樹, 永元 哲治, 浅倉 弘幸, 長島 真美, 貞升 健志, 吉村 和久, 鈴木 穣, The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan) Consortium, 伊東 潤平, 池田 輝政, 田中 伸哉*, 松野 啓太*, 福原 崇介*, 高山 和雄*, 佐藤 佳*<br/>(#Equal contribution; *Corresponding author)<br/>〈DOI〉 <a href="https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2352396424002160">10.1016/j.ebiom.2024.105181</a><br/>〈URL〉<a href="https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2352396424002160"> https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2352396424002160</a></p>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240606.pdf">プレスリリース</a>(PDF661KB)</p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3269<br/>E-mail: sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/06/06 14:00:00 GMT+9 ページ 週1回のグリコアルブミン測定×アプリが2型糖尿病を持つ方の血糖管理を改善― 低/非侵襲?低コスト?分かりやすい次世代自己血糖モニタリング法の確立へ ―_足彩胜负彩 /whatsnew/seimei/20240517 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>世界で初めて確立したグリコアルブミン (GA) 郵送検査法を用いて、2型糖尿病のある方の在宅血糖モニタリングへの応用を研究。</li>&#13; <li>週に1回在宅で自己採血した指頭血を郵送し、測定結果を本人のスマートフォンアプリで確認できる新たなモニタリング手法を実現。</li>&#13; <li>2型糖尿病のある方を対象にオープンラベル無作為化比較試験を実施した。郵送GA測定と行動変容アプリを使用した介入群において、標準治療のみの対象群と比較してHbA1c、GA、体重などの指標が有意に改善。</li>&#13; <li>得られた改善効果は、開発中の完全非侵襲な唾液郵送検査法や、指頭血による微侵襲な迅速検査法(POCT)、更には行動変容アプリの改良によって今後一層強化されることが期待される。<br/><br/><br/><br/><em/></li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】</p>&#13; <p> 医療法人社団 陣内会 陣内病院の陣内秀昭院長、東京大学医学部附属病院 糖尿病?代謝内科の相原允一助教、熊本大学病院 糖尿病?代謝?内分泌内科(大学院生命科学研究部)の窪田直人教授、東京大学発医工連携スタートアップである株式会社Provigateの関水康伸代表取締役CEOらによる研究グループは、週に1回の在宅グリコアルブミン(GA)注1検査と行動変容アプリを併用することで、2型糖尿病のある方の血糖値や体重などが有意に改善することを見出しました。<br/>グリコアルブミン(GA)値は過去1週間程度の平均血糖値の変化に応じて鋭敏に変化すると期待されます。そのため、週1回GA値を測定すれば、直近1週間程度の食事、運動、服薬など血糖値に影響する生活習慣の変化を、GA値の変化として簡単に数値化できると考えられます。しかし、在宅でGA値を測定し行動変容に活かす研究はこれまでに報告がありませんでした。<br/>今回の成果を受けて、研究チームはより手軽で侵襲性の低い在宅迅速検査(POCT)法や唾液による郵送検査法の研究開発、及び専用の行動変容アプリの改良も進めています。これらは、将来的により良い糖尿病治療の実現につながることが期待されます。<br/>本研究成果は、5月16日(中央ヨーロッパ時間)にDiabetes Therapy誌のオンライン版で掲載されました。</p>&#13; <p/>&#13; <p><br/><br/><em/></p>&#13; <p>【考察と今後の展望】<br/> 在宅でGA値を測定し行動変容に活かす研究は本研究が世界初の報告です。手軽な週1回の測定で有効に行動変容を誘発するGA×行動変容アプリは、低頻度?低コスト?低/非侵襲な在宅血糖モニタリング法として有望です。研究チームはGAの臨床実用化を目指した研究グループOMEGA Study Group を発足し、指頭血による在宅迅速検査(POCT)法や完全非侵襲な唾液によるGAの郵送検査法の研究開発、及び専用の行動変容アプリの改良も進めています。今後のGA検査の研究成果が、より良い糖尿病治療の実現につながることが期待されます。</p>&#13; <p><br/><br/><em><br/></em></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <ul>&#13; <li>雑誌名:Diabetes Therapy</li>&#13; <li>題 名:Efficacy of self-review of lifestyle behaviors with once-weekly glycated albumin<br/>measurement in people with type 2 diabetes: a randomized pilot study.</li>&#13; <li>著者名:Hideaki Jinnouchi, MD, PhD; Akira Yoshida, PhD; Mariko Taniguchi; Eisaku Yamauchi; Daisuke Kurosawa; Kenji Yachiku, MD, MHA; Itsushi Minoura, PhD; Takashi Kadowaki, MD, PhD; Toshimasa Yamauchi, MD, PhD; Masakazu Aihara, MD, PhD; Naoto Kubota, MD, PhD; Koshin Sekimizu, PhD*<br/>DOI:<a href="https://link.springer.com/article/10.1007/s13300-024-01599-2">10.1007/s13300-024-01599-2</a></li>&#13; </ul>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】<a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240517.pdf">プレスリリース</a>(PDF1006KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p><本研究に関すること></p>&#13; <p>熊本大学病院 糖尿病?代謝?内分泌内科(大学院生命科学研究部) 教授 <br/>窪田 直人(くぼた なおと)<br/>e-mail:nkubota0511※kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p><プレスリリースに関すること></p>&#13; <p>熊本大学総務部総務課広報戦略室<br/>担当:三原<br/>電話:096-342-3269<br/>e-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/05/17 14:00:00 GMT+9 ページ 疾患を引き起こすゲノム状態を「地図化」-エピゲノムビッグデータの解析インフラを創出-_足彩胜负彩 /whatsnew/seimei-sentankenkyu/20240516 <![CDATA[<p>?【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>世界最大規模のエピゲノム統合データベースChIP-Atlasのメジャーアップデートを実施しました。</li>&#13; <li>疾患関連ゲノム変異情報などの注釈づけデータを統合するとともに、エピゲノムデータを比較解析するためのオンラインツールを実装しました。</li>&#13; <li>エピゲノムビッグデータの解析基盤として、ChIP-Atlasは遺伝性疾患の解明、新規創薬標的の探索、再生医療などの分野への応用が期待されます。</li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要】</p>&#13; <p> 熊本大学生命資源研究?支援センターの鄒 兆南助教、沖 真弥教授を中心とする研究グループは、千葉大学国際高等研究基幹?大学院医学研究院の大田達郎准教授との共同研究により、エピゲノム統合データベースChIP-Atlas(https://chip-atlas.org)のメジャーアップデートを行い、ゲノムの三次元構造?疾患感受性ゲノム変異などの注釈づけ情報を統合し、遺伝子発現制御に関わるエピゲノム状態の変容を検出する比較解析ツールを実装しました。これにより、ChIP-Atlasは世界最大規模のデータ数を誇るエピゲノム情報インフラへと進化し、遺伝性疾患の発症メカニズムや薬物作用機序の解明、細胞分化転換の効率化などへの応用が期待されます。<br/> 本研究の成果は、グリニッジ標準時間2024年5月16日に英国オックスフォード大学出版局(Oxford University Press)が発刊する学術誌『Nucleic Acids Research』(オンライン版)に掲載されました。<br/> なお、本研究は国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「統合化推進プログラム」(JPMJND2202)、JST-ERATO有田リピドームアトラスプロジェクト(JPMJER2101)、JSTさきがけ(JPMJPR1942)、JST次世代研究者挑戦的研究プログラム(JPMJSP2110)、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)革新的先端研究開発支援事業(PRIME)「加齢変容細胞のデコーディング技術の開発と応用」(23gm6710001h0002)、同機構生命科学?創薬研究支援基盤事業(BINDS)「空間オミクス解析の支援」(23ama121017j0002)、日本学術振興会科学研究費助成事業(22J15229,23KF0048,22H02819,23H04954)、京都大学医学部教育研究支援基金、京都大学メディカルイノベーション大学院プログラムの研究支援を受け実施したものです。</p>&#13; <p>【展開】</p>&#13; <p> ChIP-Atlasは2015年の一般公開以来、遺伝学、疾患メカニズム、創薬、発生生物学など幅広い研究分野で利用されており、これまでに1,000報に迫る論文に引用されています。この度のメジャーアップデートにより、疾患ゲノム情報をはじめとするゲノム?エピゲノム注釈づけデータが大幅に拡充され、ChIP-Atlasは遺伝子発現制御の異常に起因する遺伝性疾患の成り立ちを解明するデータ基盤へと進化しました。また、エピゲノムデータの比較解析ツールの実装は、薬物摂動によるエピゲノム状態の変容を突破口とした薬物の作用機序の解明、ひいては新規創薬標的の発見への応用が期待されます。さらに、細胞分化におけるエピゲノム変化に切り込むことで、例えば細胞の直接分化転換(いわゆるダイレクト?リプログラミング技術)を誘導できる司令塔的な転写因子もしくは低分子化合物をより簡便に見出すことが可能になります。将来的には組織再生医療への応用が期待されます。</p>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <p>論文名:<span>ChIP-Atlas 3.0: a data-mining suite to explore chromosome architecture together with large-scale regulome data</span></p>&#13; <p>著者:<span>? Zhaonan Zou, Tazro Ohta, Shinya Oki</span></p>&#13; <p>掲載誌:<span>Nucleic Acids Research</span></p>&#13; <p>doi:<span>?? <a href="https://academic.oup.com/nar/advance-article/doi/10.1093/nar/gkae358/7671323">10.1093/nar/gkae358</a></span><br/>URL:<a href="https://academic.oup.com/nar/advance-article/doi/10.1093/nar/gkae358/7671323">https://academic.oup.com/nar/advance-article/doi/10.1093/nar/gkae358/7671323</a></p>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240516-2.pdf">プレスリリース</a>(PDF684KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学 生命資源研究?支援センター<br/>機能ゲノミクス分野<br/>担当:教授 沖 真弥<br/>電話:096-373-6501<br/>E-mail:okishinya※kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/05/16 11:00:00 GMT+9 ページ